Mozilla Labsは米国時間2月12日、ウェブベースのプログラミング環境を実現する新たなオープンソースプロジェクト、「Bespin」を公開した。Mozillaの開発者たちは、Bespinがクラウドコンピューティングでの協業の恩恵により、デスクトップベース環境の能力と速度を結びつけることを期待している。
このサイトによれば、Bespin 0.1は「基本的な編集機能のサポートを含む、初期のプロトタイプフレームワーク」に過ぎないというが、Mozillaはプロジェクトに高い期待を寄せている。「われわれは特に、ウェブ開発者がエディタ自体に手を加え、独自のものを作れるようにすることで、彼らの能力を強化する可能性に期待している」と、Ben Galbraith氏とDion Almaer氏はMozillaによるBespinの発表の中で述べた。
簡単に言えば、クラウドコンピューティングとは、かつてユーザーの目の前のマシンにあったタスクを、インターネットへ移すものだ。クラウドベースのアプリケーションが持つ利点として、より自然に共有される環境や、ネットワーク上のあらゆるマシンからアクセス可能なデータなどが挙げられる。しかし、一般にウェブベースのアプリケーションはローカルアプリケーションに比べて、反応性を欠き、ユーザーインターフェース(UI)が洗練されておらず、パフォーマンスの点でも劣っている。
ブラウザベースのプログラミングアプリケーションに関しては、デスクトップ版で定番の発想を超えた興味深い可能性がいくつかある。たとえば、オープンソースソフトウェアのリポジトリ(貯蔵庫)と統合するのはどうだろう。もしBespinが十分に柔軟性を備えているなら、「SourceForge」や「Google Code」といったリポジトリから採用され、基本的にはソースコードのビューアとして利用される可能性がある。
MozillaはBespinの目標を次のように設定している。
- 使いやすさ--エディタの使用体験は、親しみにくいものではなく、コードに素早く直接アクセスすることを促すものにする。
- リアルタイムコラボレーション--同僚とコーディング作業をリアルタイムで容易に共有でき、1人または複数のパートナーとの協業によるコーディングを難なく実行できる。
- 統合されたコマンドライン--「vi」や「Emacs」のようなツールは、コマンドラインをエディタに統合することの威力を示してきた。Bespinでもコマンドラインを統合する。
- 拡張性とセルフホスト--Bespinのインターフェースと機能は、ブラウザ拡張機能「Ubiquity」に似たコマンドか、プラグインのAPIを介して、拡張性が高く容易にアクセス可能なものとする。
- 優れた高速処理--エディタは、膨大なサイズのファイルを編集する際にもスムーズで敏感な反応を維持する必要があり、そうでなければおもちゃに過ぎない。
- どこからでもアクセス可能--現行の標準に準拠した任意のブラウザを使用して、あらゆる場所、あらゆるデバイスからコードを編集できるようにする。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ