Googleが「Android」搭載デバイス上でソフトウェアをネイティブに実行できるようにしたことは、FirefoxをAndroid上で動かせるようにする道を開くものだ。
今のところ、Android用のアプリケーションはJavaで記述し、Googleの「Dalvik」と呼ばれるJava仮想マシン上で実行する。だが、Googleは米国時間6月25日に「Android 1.5 Native Development Kit(NDK)Release 1」を公開し、ソフトウェアをベースのLinuxレイヤでネイティブに動かせるようにした。もっとも、同社はこれを、通常のAndroid用アプリケーションを動かすのと同じような、完全に独立したアプリケーションを動かすための手段とはみなしていない。
「Android用アプリケーションはDalvik仮想マシンで実行される。NDKによって開発者は、こうしたアプリケーションの一部にCやC++などのネイティブコード言語を使った実装ができるようになる」と、GoogleのDavid Turner氏はNDKのブログの中で記している。
だが、Mozillaの興味をそそるにはこれで十分だ。MozillaはFirefoxに加えて、そのモバイル版である「Fennec」を開発しており、Fennecが製品版として登場するときには、Firefoxの名称が冠せられる可能性もある。
「開発者たちは、このNDKがFennecをAndroidに実装するために必要な機能を備えているかどうかに注目している。それが可能なら、われわれのコミュニティーは実装に関心を示すだろう。なぜなら、今後は、良質のブラウジング体験を提供できる性能を持つスマートフォンで、Androidを搭載するものが増えていくと予想されるからだ」と、Mozillaでモバイル担当バイスプレジデントを務めるJay Sullivan氏は語った。
しかし1年前には、当時Mozillaのエンジニアリング担当バイスプレジデントだったMike Schroepfer氏(現在はFacebookに移籍)が、MozillaはAndroidには注力していないと語っていた。Schroepfer氏はその理由として、Javaという制限があることと、独自の高機能ブラウザがすでにAndroidに備わっていることを挙げていた。
同氏は2008年5月、「われわれは、ブラウザを持たないか、良いブラウザがないプラットフォームに注力している。わたしは(Googleが)プラットフォーム全体をオープンにすることを心待ちにしているが、現時点では、API(アプリケーションプログラミングインターフェース)のサポートがないため、AndroidにFirefoxを搭載することはできない」と語っていた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事をシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。原文へ