携帯電話とコンピュータ。どちらも現代の企業幹部にとっては必須アイテムだが、これを一体化した製品がまもなく発表になる。
DualCor Technologiesは2006年1月に、Windows XPを搭載した本格的ハンドヘルドコンピュータ「cPC」を発表する。この携帯端末には、Windows Mobile 5.0を搭載するスマートフォン機能も内蔵されている。
cPCは、長さ6.5インチ、幅3.3インチ、奥行き1.2インチで、5インチの液晶画面が搭載されている。DualCorのCEO、Steven Hanleyによると、この製品は行動範囲の広い営業マンや企業幹部をターゲットにしたものだという。Hanleyは7カ月前に同社に入社した。
この種の機器に対して需要があることを示す兆候はいくつかある。最近、ホワイトカラーのビジネスマンがノートPCからBlackBerryなどの携帯端末に乗り換え始めており、そうしたビジネスマンは少数ながらも、確実に増加傾向にある。
すでに、ソニーや新興企業のOQOがWindows XP搭載を搭載した本格的な携帯端末を投入している。しかしこれらのマシンは、バッテリの持ちが悪く性能も限られていることなどから、飛ぶように売れているというわけではない。
Hanleyによると、エンジニアリングや設計技術がいくらか進歩したおかげで、cPCは、複数のアプリケーションを同時に実行した状態で8時間以上の連続使用が可能だという。
「われわれは謎を解明したようだ」とHanleyは語る。
cPCは、携帯電話とコンピュータを一体化した製品だ、とHanleyは語る。コンピュータの部分は、Windows XP Tabletオペレーティングシステム(OS)、Via Technologies製のC7-Mプロセッサ(1.5GHz)、1ギガバイト(GB)のDDR 2メモリを搭載している。
DualCorがVia Technologies製チップを採用した理由は、最大消費電力が7.5ワットと省エネでありながら、標準サイズのコンピュータと同等の機能性を実現するのに十分な性能を備えているためだ。
「旧バージョンではTransmetaチップを採用していたが、文書をロードするのに7.5〜9秒かかっていた」とHanleyは語る。
また携帯電話としては、Windows Mobile 5.0 Pocket PC Phone Edition、Intel製PXA通信プロセッサ、128メガバイト(MB)のDRAM、1GBのフラッシュメモリを備えている。
cPCでは、コンピュータとしてのコンポーネントと携帯電話としてのコンポーネントが40GBのハードドライブを共有している。
この端末は性能過剰に思えるかもしれないが、cPCは異なる2種類のコンピューティングプラットフォームを組み込むことで、バッテリの持続時間が伸びている。完全なコンピューティングモードでは、バッテリーはおよそ3〜4時間しかもたず、標準的なノートPCとほとんど変わらない。
しかし、「スマートフォン」モードでは、8〜12時間の連続使用が可能だ。メモリフットプリントなどの技術により、スマートフォンモードではメールの受信などもでき、さらに制限付きながらPowerPointなどのアプリケーションも実行できる。その結果、PCのコンポーネントやOSは、大半の時間、休眠状態となる。
Hanleyによると、「アプリケーションを使用する際、x86モードで実行するか、スマートフォンモードで実行するかを選択できる」という。また、携帯電話の機能とPCの機能の選択を自動化することも可能だ。
同社では、デジタイザーを組み込まずにタブレットPCの機能を盛り込む方法を見つけ出した。デジタイザーを組み込むには別のチップを用意する必要がある。
ユーザーはcPCをドック付きの液晶モニターに挿入して利用することもできるが、この場合には通常のデスクトップと同じように使うことが可能だ。
cPCは Computer Electronics Show(CES)で発表になり、3月に発売される予定だが、値段は安くならないだろう。同システムの価格は1500ドル程度になるとみられている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向 けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ