Sun Microsystemsは、「UltraSparc T1」プロセッサ(開発コード名「Niagara」)を採用したローエンドサーバの販売を開始するとともに、このチップの後継モデルの開発についても重要な進展があったことを明らかにした。
新製品の「Sun Fire T1000」サーバは厚さ1.75インチで、昨年12月に発売された上位モデル「Sun Fire T2000」の3.5インチに比べると半分の薄さだ。UltraSparc T1は、消費電力を抑えながら複数のタスクを並列処理するよう設計されており、この点で、1つのタスクを高速で処理する仕組みを持つ現行プロセッサの大半と異なる。
Sun Fire T1000の価格は、6コアの1GHzプロセッサ1基とメモリ2Gバイトを搭載し、OSおよびハードディスクのないモデルが3245ドル、メモリを8Gバイトに増量し80Mバイトのハードディスクと「Solaris 10」OSを搭載したモデルが4995ドル。また、UltraSparc T1では最大となる8コアのプロセッサを搭載したモデルの価格は7995ドルだ。
SunのNiagaraプロダクトマーケティング担当ディレクター、Paul Durzan氏によると、T1000は3.5インチのハードディスクを使用しているが、2.5インチのハードディスクを2基搭載して記憶容量を増やすことも考えているという。
Sunと競合するIntelやIBMも、ジョブを複数の独立した「スレッド」に分割して処理可能なプロセッサを設計しているが、より穏やかなアプローチを採っている。顧客はシングルスレッドでの高い処理能力を必要とするソフトウェアを既に導入しており、これを稼働させる必要があるというのが、両社の主張だ。
IntelのDigital Enterprise Group担当ゼネラルマネージャー、Pat Gelsinger氏は、3月の取材で次のように述べている。「Niagaraに(中略)適したアプリケーションは非常に限られている。『Sparc』をはじめとするSun製品をどうしても使い続ける必要がある顧客向けの、安価な選択肢と言えるだろう」
しかし、Sunはマルチスレッド設計に大きく賭けている。後継モデルの「Niagara II」(開発コード名)は、正式名称が「UltraSparc T2」と決まり、2007年後半には搭載サーバが発売となる予定だ。また、上位モデルの「Rock」(開発コード名)を搭載したサーバについても、2008年に発売を予定している。
Niagara搭載サーバは、ウェブページやJavaプログラムのホスティングなど、スレッドごとの高速性はそれほど重要でなく、頻繁に多くのタスクを並列処理する比較的ローエンドのタスク向けに設計されている。SunのSparcサーバグループのマーケティング担当ディレクター、Fadi Azhari氏によると、T1は合計32スレッド、T2は64スレッドを同時に処理できるという。
T2プロセッサの開発については、3月に「テープアウト」した、つまり初期設計が完了し製造業者(Sunの場合はTexas Instruments)に送られたとAzhari氏は述べた。しかし、試作品の完成時期や想定しているクロック周波数については明言を避けた。
Azhari氏は、T2プロセッサは既存のT1サーバのプロセッサに置き換わるものではないとしている。両プロセッサの大きな違いは、T1がシングルプロセッサでの使用に限られるのに対して、T2はマルチプロセッサ構成でも使用可能な点だとSunは説明している。
Niagaraを搭載したサーバの成否は、かなり独特なこのプロセッサの設計を、顧客が受け入れるかどうかにかかっている。そのため、SunはSun Fire T2000を60日間無料で試用できるキャンペーンを行っている。このキャンペーンを通じて貸し出されたT2000の数は1000台を超え、その半数以上はこれまでSunの製品をまったく購入したことのないユーザーに送られたとAzhari氏は語った。
Azhari氏は、Niagara搭載サーバの大口導入先として、中国のポータルサイト「Sina.com」を運営する新浪公司(SINA Corporation)、通信事業者向けソリューション企業のComverseを挙げた。SINA CorporationはDell製のサーバからT1000へ移行するほか、Comverseでは全世界で3億人の加入者が利用する音声通信サービスにT1000を使用している。さらに、ドイツのアーヘン工科大学は高性能計算システムにT2000を利用している。
なお、Sunは米国時間4月7日に、Sparcサーバグループ全体の7%に当たる200名の従業員をレイオフすると発表している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
関連情報
-
インテル、力強い未来を予想--「Itanium」での失敗を認めつつ
インテルの経営幹部は米国時間23日、「Itanium」に関する重要な問題を認識していると述べたうえで、同社はこのハイエンドのチップ系統の未来を輝かせるための投資を増やしていると発言した。 - サン、「UltraSparc T1」チップ搭載の新サーバを発表
- Sun Microsystems
「ハードウェア」 のバックナンバー
-
CTC、シンクライアントシステム拡充--Windows Server 2008 R2の仮想化技術活用
伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)は、シンクライアントシステム「Trusted Desk Engine」を拡充、Windows Server 2008 R2に標準搭載される仮想化技術を活用したシンクライアントシステムの販売を開始した。 -
日本IBM、新型Xeonを搭載し約50%の性能向上を実現した中小企業向けx86サーバ発表
-
IBM、SSD実装のx86サーバ向け拡張ボードを発表--I/O処理能力は従来の約25倍
-
インテル、「マイクロサーバ」の設計仕様を標準化へ
-
インテル、次世代メモリの実用化で前進
- ハードウェア 一覧へ »
-
【SUN xVM portfolio】ダイナミックなデータセンターのための仮想化プラットフォーム
- 日本モバイルインターネット端末市場分析 〜2008〜2012年のMID及びスマートフォン...
- 電力消費量を可視化〜!身近なPC管理から始めるグリーンIT統制〜
- 中堅企業におけるテクノロジーと成長
- 企業コスト削減の傾向と対策 〜最新アプローチのトレンド〜
- インターネットセキュリティにおける今後の展望’09-’10
- パンデミックでも社員を守り業務継続を支援する
- 大容量ファイル、機密情報データの受渡しに! ~~ ファイルエクスプレス ~~
- コスト・時間・労力を削減し生産性・競争力UP!シスコのWeb会議で、出張せずいつで...
- 異種データベースサーバ統合による戦略的コスト削減のススメ
企画特集
-
企業ITシステムの企画、構築、運用のイロハ
戦略的なITシステムのために、今考えるべきポイント -
100万円で実現!中小企業の情報漏えい対策
中小企業の課題!?セキュリティ管理者不在でも大丈夫 -
進むストレージ環境の見直し
仮想環境に最適なiSCSIストレージLeftHandのメリット -
マネジメントの「コラム」と「コネタ」
今日のキーパーソンは誰? -
最大32個のセンサーが電力を徹底管理!
『省エネ性能』追求HPx86サーバー徹底レビュー -
求めているのはSIerのエンジニア!!
連載インタビュー第1話、グリーCTO藤本氏が語る -
【最終警告】パンデミック対策特集
サービス品質を保証するためのリスクマネジメントとは -
大丈夫?あなたの会社のセキュリティ対策
中堅・中小企業のネットワーク・セキュリティを考える -
―エン・ジャパン厳選求人☆毎週更新―
ハンゲームの社長が語る・人材とサービスの在り方 -
情報漏えいを食い止める!
証跡としての信用力を高めるメールアーカイブとは? -
J-SOX法制定により内部統制の整備が急務に
重要性高まるActive Directoryの課題と対処法を公開中 -
VMware OEMベンダー6社を独占インタビュー
IBM、HP、NEC、DELL、日立、富士通のVMwareの取り組み -
急増するオンライン犯罪への解決策!
オンラインサービス保護ソリューション
-
17. Intel Threading Building Blocks
オライリーブックから出版されている「Intel Threading Building Blocks... -
18. Intel Integrated Performance Primitives
単に最適化コンパイラを使うよりもパフォーマンスを良好にするルーチン...
新着企業動向
-
「韓国ポイント市場の展望と課題」出版
データリソース -
情報セキュリティソリューションセミナー(中国特集)
NRIセキュアテクノロジーズ -
「大江戸セキュリティくろすわーど」好評につき期間延長しました!(11/15まで)
日立システムアンドサービス -
Dojo(道場)
テンダ - 企業動向一覧へ»
