モバイルワークステーションを必要としているエンジニアやデザイナーにとって、新たな選択肢の登場だ。Novellの「SUSE Linux」をプレインストールした「ThinkPad」が発売されることになった。
LenovoとNovellは米国時間8月15日LinuxWorld Conference and Expoにおいて、「ThinkPad T60p」にNovellの「SUSE Linux Enterprise Desktop 10」を搭載して出荷することを発表する予定だ。このLinux搭載のノートPCは、エンジニアやその他のハイエンドユーザーを対象としているが、Lenovoのウェブサイトにアクセスすれば誰でも購入することができるようになる、とThinkPad T SeriesのワールドワイドセグメントマネージャーBill Iori氏は言う。
さらに同氏によれば、Lenovoは、MicrosoftのWindowsオペレーティングシステムを搭載したThinkPadに採用されているドライバや同社のThinkVantage技術についても、SUSE Linux搭載のThinkPadでサポートする予定だという。
業界関係者たちがサンフランシスコで開催中の同カンファレンスに集うなか、デスクトップLinuxの動向を見守る人たちにとって、2006年こそ重要な年になるかもしれないと希望を抱かせるだけの理由がある。デスクトップLinuxは、ビジネスPC市場全体では、まだ存在感がないが、エンジニアリングやコールセンターまどの業務を中心として法人からの支持を得ていると、NovellのプロダクトマーケティングのディレクターであるJustin Steinman氏は述べている。
NovellとLenovoが新しいT60pに対して、さらに大きな期待をかけている理由の1つが、Linuxカーネルだ。Iori氏によれば、T60pに実装されているLinuxカーネルでは、スリープモードなどのノートPC向けの技術へのサポートが強化されているという。カーネル以外にも、SLEDがモバイル環境できちんと動作するようにしたり、RapidRestore(データのバックアップと復旧)やAccess Connections(無線ネットワークの検知)などのThinkVantage技術を利用できるようにするなど、NovellとLenovoがそれぞれに工夫を凝らしている、と同氏は述べている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ