Hewlett-Packard(HP)は4月17日、上海で開催された報道関係者向けのイベントにて、プリンタとその関連ソリューションを25種以上一気に発表した。
HPはプリンタの新戦略として、2007年に「Print 2.0」というコンセプトを提唱した。これは、「プリンタを単なる印刷機器として提供するのではなく、企業が印刷環境を管理し、安全にし、簡素化する支援をすることと、コスト削減や生産性向上に向けたワークフローの改善に貢献することを目指したプリンティングソリューションだ」と、アジアパシフィック&日本 イメージング&プリンティング事業担当シニアバイスプレジデントのChris Morgan氏は説明する。
Morgan氏は、「HPは1985年にプリンタを提供し始め、この分野のリーダーとなったが、デバイスだけでは不十分だということがわかった。企業には、セキュリティや管理性など、多くの課題があり、こうしたニーズに対応する必要がある」と、Print 2.0を推進する背景について語った。
今回HPでは、Print 2.0のコンセプトを実現すべく、レーザープリンタとインクジェットプリンタの両ラインアップにおいて数多くの新製品を用意した。
レーザープリンタでは、価格が249ドルからと同社にとって最安値のカラーレーザープリンタとなる「HP Color LaserJet CP1215 Printer Series」や、ファックス機能付きのマルチファンクションプリンタ(MFP)「HP Color LaserJet CM1312 MFP Series」、A3サイズまでのカラー印刷が可能な「HP Color LaserJet CP6015 printer series」といったカラープリンタのほか、印刷速度やコスト効果を重視したモノクロレーザープリンタのラインアップも拡充した。インクジェットプリンタでは、A3サイズで両面印刷が可能なカラープリンタ「HP Officejet Pro K8600 Color Printer Series」などを提供する。
こうしたプリンタ新製品に加え、中小企業が自社でパンフレットなどを作成する際にテンプレートや素材集などを提供する「HP In-house Marketing (IHM) Starter Kit」や、自社で印刷物を作成する際、予算を事前に計算して外注費と比較できるようにする「HP Print Cost Estimator」なども提供する。
これらの製品はすべて「Print 2.0を加速させるためのものだ」とMorgan氏。「ユーザーは単にプリンタが必要なだけではない。プリンタをベースとしたサービスで、ワークフローが改善できれば、企業の課題解決にも結びつくのだ」と同氏は述べ、今後も付加価値のあるサービスでプリント市場を拡大させたい考えを示した。