インテルは4月6日、新しいサーバ用プロセッサ「インテル Xeon プロセッサ 5500番台」を発表した。これは開発コード名「Nehalem-EP」と呼ばれていたもの。2008年11月に発表したデスクトップ向けプロセッサ「Core i7」で採用されたNehalemアーキテクチャを、サーバ用プロセッサでも展開する。
今回の発表で来日したIntel シニアバイスプレジデント 兼 デジタルエンタープライズ事業本部長のPat Gelsinger氏は、Xeon 5500番台について「Pentium Pro以来、最大の革新を遂げたサーバ用プロセッサだ」と話す。「Pentium Proが登場したころは、サーバといえばメインフレームなどの独自システムが主流だった。今ではx86ベースのサーバが市場の80%を占めており、それがインターネットの発展を支えてきた。今後は多くの企業がクラウドサービスを提供するようになるが、Xeon 5500番台は今後10年で発展するクラウドアーキテクチャを支えていくプロセッサになるだろう」(Gelsinger氏)
Xeon 5500番台には、必要に応じてプロセッサの動作周波数を動的に変化させ、状況に合わせた処理性能が発揮できる「インテル ターボ・ブースト・テクノロジ」が備わっている。また、最大15段階の動作状態を自動的に切り替えるインテリジェンス機能により、性能に影響を与えることなくスループットに応じてリアルタイムでシステム電力消費の制御も可能だ。
こうした機能により、「Xeonプロセッサの歴史上、パフォーマンスの飛躍は最大となった。現行のXeon 5400番台に比べ、さまざまなベンチマークで100%を超すパフォーマンスを達成している」とGelsinger氏。厳しい経済状況の中でサーバの置き換えをためらう企業も多いが、Gelsinger氏は「184台のシングルコアXeonが搭載されたサーバを、同じ台数の5500番台に置き換えると、最大9倍のパフォーマンスが期待でき、年間の電力コストは18%削減できる。もし効率性を重視する場合は、5500番台を21台用意すれば184台のシングルコアXeonと同等のパフォーマンスが出る。この場合は投資をわずか8カ月で回収でき、年間の電力コストが92%削減できる」と説明した。