AMDは台湾のComputexで現地時間6月2日、デスクトップ用デュアルコアプロセッサの新製品2モデルを発表した。これらの新プロセッサは、より高速なメモリ標準の利点を生かし、より高速なPCを作るのに役立つはずだ。
AMDが発表した「Phenom II X2 550 Black Edition」プロセッサは、「Phenom II」CPUで初のデュアルコア版だ。専門職のユーザーやゲームマニア、オーバークロック派など、性能を追求するコアな層の利用を想定している。
同じく2日に発表された、45ナノメートル(nm)プロセス採用の新しい「AMD Athlon II X2 250」プロセッサは、主流のコンシューマー向けPCの性能向上を目指している。AMDによると、主要な改良点は、Phenomシリーズのデュアルコアプロセッサがより高速なメモリ基準を利用できるようになったことだという。最近まではDDR2にしか対応していなかったが、今後は最新の高速メモリ基準であるDDR3にも対応できる。AMDによると、DDR2とDDR3向けに「AM2+」または「AM3」ソケットの両ボードに対応することが可能になり、その結果として性能が向上したという。
Athlon II X2 250は、各コアのL2キャッシュ容量が以前のモデルの2倍で、合計で2MBのL2キャッシュを実現している。AMDによると、これにより手頃な価格のPCに3GHzのパフォーマンスをもたらすという。
AMDは、「Windows 7」への最適化により、今後さらに性能が向上すると述べている。
市場調査会社iSuppliのアナリストであるJonathan Cassell氏によれば、チップメーカーが半導体市場で利益を上げるのは難しいが、プロセッサ市場はかつてないほど活気づいているという。ハイエンドの専門職ユーザー向けから低価格PCまで、あらゆる価格帯で新しいCPUがリリースされ、活発な競争が生まれている。
英国のシステムビルダーは、今回のAMDのリリースを大局的にとらえている。AMDのチップをシステムビルダーに供給する英国のディストリビューター、RealTime Distributionで販売ディレクターを務めるRichard Marsden氏は、次のように述べた。「AMDは、デュアルコアアーキテクチャと、45nm技術を通じて実現可能な効率を強調するだろう。だが重要なのは、AMDのプロセッサを搭載したマシンが、手頃な価格で3GHzの性能を提供できるようになることだ」
この記事は海外CBS Interactive発の記事をシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。原文へ