DisplaySearchが米国時間4月5日に発表したリポートによれば、「iPad」やHPによって発売される「Slate」、その他のタブレットの普及により、2010年にネットブックの売り上げが奪われることになるという。
iPadがけん引する形でタブレット市場は2010年に劇的な増加を記録し、折りたたみ型のネットブックの市場シェアを奪うとの予測が、DisplaySearchの「Quarterly Notebook PC Shipment and Forecast Report」で明らかにされている。
とりわけiPadでは顕著に見られるが、タブレット市場の成長の大半は北米および西欧地域で記録されるという。すでにAppleは、両地域において主要な配送ラインを確立し、複数のコンテンツプロバイダーとの契約が結ばれている。DisplaySearchは、2010年中に市場全体で消費者が約500万台のタブレットを購入すると予測している。
しかしながら、早急にネットブックの存在を排除するべきではない。一般的な折りたたみ式のネットブックまたはミニノートPCは、平均的な販売価格が400ドルから300ドルをわずかに下回るまでに落ち込むため、引き続き顧客にとっては魅力的な存在であるとも考えられている。2010年のタブレットの出荷の大半を占めることになるAppleのiPadは、499ドルの価格からスタートして、800ドル以上まで販売価格が上昇する。一方、低価格のネットブックは、2台目や3台目のPC購入を検討している人々や、エマージング市場において初めてPCを購入する人々の層へ訴えるものとなる。
とはいえ、皮肉なことに低価格のネットブックは、今後も先細るマージンと売り上げの減少という結果を、メーカー、部品サプライヤー、小売業者にもたらすものになると、DisplaySearchは述べている。これとは対照的に、人気を集める「App Store」や豊富なコンテンツにも支えられて、iPadは、より健全なマージンと高い売り上げを、Apple、部品メーカー、小売店などにもたらすとされている。
DisplaySearchの定義では、いまやポータブルPC市場には、ノートPCやネットブック、タブレットが含まれるようになっている。こうして、ネットブックの伸びやiPadがけん引するタブレットの成長により、ポータブルPC市場全体は2010年に約2億1500万台の販売を記録し、売上高は2008年と同等レベルの約1170億ドルに達することになる。そのうち、ネットブックとタブレットが、2010年は前年比で約28%増となる伸びを見せ、売上高は133億ドルになるとの予測も出されている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ