Microsoftは、同社の無償ウェブメールサービスのブランド名として「Hotmail」を存続させることに決定した。同社はこれまでこの名称を取りやめようと何カ月も検討を重ねていた。
Microsoftは米国時間2月8日、まだベータテスト段階の新サービスの名称を、当初予定していた「Windows Live Mail」ではなく、「Windows Live Hotmail」とすると述べた。同社シニアプロダクトマネージャーのRichard Sim氏はブログの中で、名称を変更すると紛らわしいと感じる人がいたと記述した。
Sim氏は「われわれは新しいウェブメールサービスの最終版リリースに向けた準備段階に入り、2億6000万人以上の既存ユーザーがスムーズに混乱することなく新サービスへと移行できるようにすることが重要であることを認識している」と述べた。「『Windows Live Hotmail』という名称を採用することにより、新旧両方の素晴らしい点を組み合わせることができると信じている。Windows Liveが実現する素晴らしい新技術を提供しつつ、Hotmailを長く愛用する多くの既存ユーザーがもつ愛着心も保つことができる」(Sim氏)
今回の決定は、新サービスを既存のHotmailユーザーに親しみやすいものにしようとする一連の取り組みでは最新のものである。
Microsoftは当初、Hotmailではなく、同社のビジネスユーザー向けソフトウェアである「Outlook」に似た、まったく新しいインターフェースを採用することを計画してきた。同社は次に、削除するメッセージにしるしをつけるためのチェックボックスなど、Hotmailユーザーになじみの深いいくつかの機能を新サービスに追加し、また、見た目がさらに旧式のHotmailに似た、古くからある外観を追加した。
新しいメールサービスへの移行は、1998年に買収したHotmailに対する、同社の最も大きな改革の一環である。Hotmailは古くからのユーザーには引き続き支持されているが、新しいウェブメールユーザーは、YahooやGoogleが提供する競合サービスを選択することが多い。
Microsoftは当初、Windows Live Mailの最終版を2006年にリリースする予定であった。しかし現在のところ、2006年11月にサービスを開始したオランダ以外では、同サービスはまだベータテスト段階である。最新テスト版「M9」は今週に入りリリースされている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ