共同制作型のサイトを構築するホスティング型Wikiプラットフォームを提供していたJotSpotをGoogleが買収したのは、2006年10月のことだった。それから16カ月後、といってもウェブの世界では10年にも等しいが、GoogleはJotSpotの改良版にあたる「Google Sites」を立ち上げた。
CNET Networksが運営する「Webware」のRafe Needleman氏が、Google Sitesについて記事で詳しく書いている。
「これは、『Google Apps』スイートにとって最後の重要な構成要素だ。オンラインコラボレーションに他の要素を組み込むための核となる」と、「Google Enterprise」担当製品管理ディレクターのMatt Glotzbach氏は語った。
Glotzbach氏はまた、Google AppsがGoogleにとって「健全で、成長している、利益を生む」ビジネスだと述べたが、売り上げの数字は明かさなかった。利益は出るのかもしれないが、同社の売上全体からすると、ほとんど目にとまらない微々たるものだ。
Google Sitesの説明には「Wiki」という言葉は一切使われていないが、その理由は、同社がコラボレーション対応アプリケーションを主流の位置に据えようと試みているからだ。製品マネージャーのScott Johnston氏は、「Wikiサイトと普通のサイトに違いがあるべきではない」と語った。同氏は、ウェブでのコラボレーションが定着するにつれ、「編集ボタン」が当たり前の存在になることを期待している。
Glotzbach氏によると、Google Appsはかなりの訴求力を持ち、約50万社の企業で採用されているが、ハイテクに詳しくないナレッジワーカーは「Google Docs」を知らないかもしれないという。Googleは、スモールビジネスにおける利用の喚起は口コミに頼り、大企業に対してはより直接的な販売体制をとっている。
Googleはまた、軽量級で機能の少ないアプリケーションというレッテルとも戦っている。「Microsoft Sharepoint」や企業向けWikiの「SocialText」といった機能豊富なビジネスソリューションと違い、Google Appsで何もかもこなすことはできない、と認識されているのだ。その一方で、よく似た形態のサービスを展開している「Zoho」などの競争相手と比べれば、Googleには配布の面で大きなアドバンテージがある。
Glotzbach氏は次のように述べている。「いわゆる軽量級のクラウドアプリケーションは、パワーユーザー以外には向いていない。実際、パワーユーザー向けなのだ。今日的な意味でのパワーユーザーとは、マクロを書くような人ではなく、ウェブクラウドの中にある複数のサイトからコンテンツを集め、それを1つのサイトにまとめて共有するような『パワーコラボレーター』のことだ」
パワーコラボレーターという概念や、高いコストをかけずにアプリケーションを作ってITリソースをまとめるという発想は、なかなか魅力的で、企業や個人によるGoogle Appsの積極的な活用を後押しするだろう。
たとえば、企業は従業員のディレクトリを作成し、そのプロフィールページに文章やビデオ、ガジェットといった各種コンテンツを簡単に組み込めるようになる。Johnston氏はさらに、「OpenSocial API」や「Social Graph API」を利用してGoogle Sitesにソーシャルネットワーク的な機能を持たせることも計画中だと語ったが、それがいつごろになるのかは明かさなかった。Google Sitesがソーシャルネットワーク的な機能を持つなら、ユーザーが自前のソーシャルネットワークを構築できるNingのソーシャルウェブプラットフォームに似たものになるのかもしれない。
GoogleがJotSpotを再開するのにこれほど時間がかかった理由をJohnston氏に尋ねたところ、次のような答が返ってきた。「当社は、利用できる資産を検討していたし、泥縄式の修正を余儀なくされるような製品をリリースしたくなかったのだ。われわれは、ほぼ無限に拡大を続けるインフラへのアクセスが可能で、根幹技術として検索エンジンも持っている。したがって、コンテンツを集め、即座に関連付けて、検索可能な状態にできる。また、Googleには最高のオンラインカレンダーもある」
さらに、Google Docsなど、Google Appsスイートの基本的な要素と統合できるように、JotSpotのルックアンドフィールを変更するだけでなく、フロントエンド全体を書き直すことになった。「JotSpotから引き継いだ中で重要なのは、Wikiのエッセンスとコンテンツの編集履歴だ。また、JotSpotでページを作成する際には、数種類のテンプレートから選択することができた」と、Johnston氏は説明する。Google Sitesでは、現在5種類のテンプレートを提供しているが、今後さらに増やしていくという。
Glotzbach氏によると、Google Appsには将来、YouTubeの動画をグループ内で共有する機能や、音声通話機能が加わる予定だという。現時点で、クリエーターたちがGoogle Sitesのテンプレートやテーマを公開できるようなマーケットプレイスを設ける計画はないが、「iGoogle」のガジェットや、開発者がサービスにオブジェクトを埋め込めるようなAPIを活用する予定だ。
Google Sitesは、Google Appsの機能性を実現する重要な要素で、特定の作業をやり上げるために必要なコンポーネントすべてをまとめる役割を担っている。Google Appsにソーシャル機能とデータベースが加われば、Microsoftにさらなるプレッシャーをかけることになる。手ごわい『Microsoft Office』を超えるためにGoogleが現在温めている秘策は、そのとき明らかになるだろう。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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