PCからテレビへ。Adobe Systemsは、リッチなウェブアニメーションや動画を、コンシューマーのリビングルームにまで届けたいと考えている。
Adobeは米国時間4月20日、同社の「Flash」マルチメディアプラットフォームの最新バージョンを発表した。この最新バージョンでは本質的に、Flashテクノロジが、インターネットに接続されたテレビ、セットトップボックス、Blu-ray Discプレーヤー、そのほかのデジタル家電製品の中に組み込まれることになる。テレビや家電製品用に最適化されたFlashの主な目的は、視聴者が高解像度(HD)の動画、インタラクティブアプリケーション、新しいユーザーインターフェースを、テレビで直接見ることができるようにすることだ。
Adobeは今回の発表の一部として、このテクノロジの利用を計画している多くのパートナーを明らかにした。その中には、Intel、Comcast、Disney Interactive、Netflix、Atlantic Records、New York Times Companyなどが名を連ねている。
これまでのところ、Adobeの「Flash Player」は、主にコンピュータ上で、YouTubeなどのウェブサイトのアニメーションや動画をウェブブラウザで見られるようにするために使用されてきた。同社はこの市場で大きな成功を収めてきた。comScoreによると、世界中のオンライン動画の約80%が、AdobeのFlashテクノロジを使用して視聴されているという。
またAdobeは、自社のテクノロジを適合させ、スマートフォンで使用されるFlashのモバイルバージョンも開発した。モバイルバージョンによって、人々は外出先でもFlash対応の動画を視聴することができる。そしてAdobeは今、リビングルームと大画面のHDテレビに注意を向けている。このことは、YouTubeの動画ライブラリにおいてテレビ視聴用に特別にエンコードされた一部ではなく、そのライブラリ全体にテレビから完全にアクセスできるようになることを意味する。
AdobeのFlashプラットフォーム事業部のテクノロジ・ストラテジー・アンド・パートナー・デベロップメント担当ディレクターであるAnup Murarka氏は、次のように述べている。「テレビ用にオンライン動画の一部を提供する製品やサービスがいくつかあるが、すべてのコンテンツが提供されるわけではない。例えば、多くのデバイスでYouTubeのコンテンツを再生できるが、YouTubeにあるすべての動画が見られるわけではない」
また開発者は、ウェブコンテンツをテレビ画面でも見られるようにするための、テレビ用の「ウィジェット」を作成することが可能になる。ウィジェットとは、家電製品に簡単に追加できる、特別に設計されたウェブアプリケーションだ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ