Mozillaの「Firefox」担当ディレクターMike Beltzner氏は米国時間6月16日、Mozillaが6月19日に「Firefox 3.5」のリリース候補(RC)版を公開し、2009年6月末までに正式版を公開することを明らかにした。
Firefox 3.5(開発コード名「Shiretoko」)は、「Firefox 3.1」のマイナーアップグレードとして開発が始まった。だが、Mozillaの野望が拡大し、「Google Chrome」などの他社製ブラウザが競争圧力をかけるにつれて、新たなFirefoxはバージョン3.5に昇格し、同ブラウザの予定公開日は数カ月遅れることになった。Firefox 3.5ベータ版は、Windows、Mac OS、Linux向けが提供されている。
Mozillaによれば、Firefox 3.5は数多くの新機能を実装しており、合計5000にも及ぶという。そのうち主な機能は、組み込み型の動画、ネットワーク接続がなくても動作できるよりリッチなウェブアプリケーションを実現するローカルストレージ、プライベート閲覧モード、ユーザーの位置を知ることで恩恵を受けるウェブページを支援する地理位置情報、ページを読み込む処理やウェブベースのJavaScriptプログラムを実行する処理の高速化などがある。
「われわれは、ウェブ自体をアップグレードすると考えられる技術を追加した」(Beltzner氏)
Mozillaは2009年6月第2週、Firefox 3.5のベータ4とRC1の間に位置するアップデートを行った。Beltzner氏によれば、正式なRC1では主に、いくつかの異常なJavaScriptの状況を適切に処理するためのわずかな変更を加えるだけになるという。また、Firefoxの大規模なベータテスティングネットワークにより(80万人がベータ版を使用している)、MozillaはRC1が唯一のRC版になると予想している。
「6月末頃に正式版を公開することを目指している」(Beltzner氏)
太平洋夏時間6月16日12時00分更新:Firefox 3.5におけるその他の機能には、ブラウザベースのアプリケーションをバックグラウンドで実行できる「Web Workers」のサポート、テーマの提供がより簡素化されたペルソナ、ダウンロード可能なフォント、CSS(カスケードスタイルシート)やSVG(拡張可能なベクターグラフィックス)標準を通じた組み込み型グラフィックス技術の改善、直近または特定のウェブサイトのブラウジング履歴を削除する能力、ブラウザとサーバ間の通信を改善するJSON(JavaScript Object Notation)技術のビルトインサポートなどが含まれる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事をシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。原文へ