ニューヨーク発--IBMは、新しいエネルギー効率化プログラムで環境に優しい企業を目指す。
IBMは米国時間5月10日午前、報道陣、アナリスト、提携企業ら向けのイベントにおいて、よりエネルギー効率のよいITインフラストラクチャの構築を目標とした新しいプログラムに毎年10億ドルを割り当てることを発表した。IBMによると、これにより企業や公的機関のデータセンターがより環境に優しいものとなるだけでなく、エネルギーコストも著しく削減することができるという。
IBMのGlobal Technology Services部門でインフラストラクチャ管理サービス担当ゼネラルマネージャーを務めるVal Rahmani氏は、「環境に優しいデータセンターに向けたロードマップだと考えてもらいたい」と述べた。「われわれはその方法を提示し、その成果を披露する」(Rahmani氏)
このプログラムには「Project Big Green」という同社にぴったりの名前がつけられており、平均的な2万5000平方フィート(2323平方メートル)のデータセンターで42%のエネルギー費削減を可能とすると同社は主張している。またIBMは、同社の世界中のデータセンターのコンピューティング機能を、消費電力のレベルは維持したままで2010年までに2倍にするという目標も打ち出している。
データセンターの効率化プログラムは、IBMにおけるより広範囲な環境プログラムである「Big Green Innovations」に含まれる。Big Green Innovationsのほかのプログラムとしては、水管理サービスの開発や企業の二酸化炭素排出量の低減などがある。
Project Big Greenの一環としてIBMは、「環境に配慮した」企業ITインフラの構築に向けたさまざまな処理工程を示した新しい製品やサービスを同社の顧客向けに提供している。Rahmani氏は、「IBMを総動員している」と述べた。「これらの問題の解決に向けて、われわれの技術、ハードウェア、ソフトウェア、情報技術、コンサルティング技術、研究、および財政的な能力をすべて統合している」(Rahmani氏)。Project Big Greenへの参加に関心のある顧客向けのウェブポータルも、近々開始される予定である。
IBMからの新製品およびサービスには、エネルギー効率評価プログラムの完全解析版と簡易版や、水質を検査する企業向けのウェブベースの査定などがある。これらのプログラムの目的は、企業がデータセンターを基準に照らし合わせて評価し、改善の余地を理解することを支援することである。
イベントでIBMはSecond Lifeを使い、同社の描くエネルギー効率の良いデータセンターのモデルを示した。IBMではProject Big Greenの今後の過程においても、電力管理などを検討するツールとして仮想世界を積極的に活用していく予定だ。
IBMはまた、消費電力を監視したり、IT管理者が電力に関するポリシーを策定できる電力管理ソフトウェアも作成した。このソフトウェアはIBMのTivoli製品やBM Systems Director製品に含まれるようになるという。また同社では、稼働マシン数を削減し、消費電力を上げることなくパフォーマンスを改善する仮想化製品を利用するよう、顧客に働きかけてゆくとしている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ