IT技術者は他の専門職に比べ高収入であるにも関わらず、仕事に対する満足度は美容師、司書、トラックの運転手よりも低いことが、英国バース大学の調査で明らかになった。
バース大学は、81の専門職を対象に仕事に対する満足度調査を実施した。その結果、IT労働者は、10人に1人が年収4万5000ポンド(約1080万円)以上であるにも関わらず、満足度の順位は全体の66位だった。
この調査は、英国のビジネス・企業・規制改革省(DBERR)が2万2500人の従業員を対象に実施した就労経験に関する調査を基に行われた。同調査では、仕事に対する満足度で従業員をランク付けしている。
今回の調査では、4万ポンド(約960万円)以上の年収は、通常、仕事に対する満足度の向上に大きなプラス効果をもたらすことが分かった。それにも関わらず、高収入のIT労働者らは自分たちの仕事に満足していないようだ。
今回の調査を実施したバース大学のMichael Rose教授によると、従業員らの仕事に対する満足感を向上させる上で最も重要な要素は、彼らに関与意識を抱かせる経営手腕だという。
Rose教授は調査結果の中で次のように述べている。「今回の調査結果から、情報通信技術(ICT)の専門家たちは、他の専門職の人々に比べ、関与、達成感、仕事の保障、与えられる教育や訓練の4つの点で満足度が低いことが分かる」
Rose教授によると、個々人の仕事に対する満足度を決する要素は、給与、雇用条件、名声などの「象徴的報酬」など、多岐にわたるという。
今回発表された仕事に対する満足度ランキングで、美容師は経営者に次ぐ第2位に入った。しかし、IT労働者よりも仕事に対する満足度の高いその他の専門職の中には、クリーニング店の店員、司書、秘書、運送トラックの運転手なども含まれていた。
今回の調査は、英経済社会研究委員会(EARC)の後援で実施された。調査の対象となった81の専門職は、英国の標準職業分類表に基づいてリストアップされた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ