Microsoftが米Yahooに対して行った買収提案に関連して、多くの変化が起きている。その最新のものとして、Microsoftは先週、同社の法律顧問チームをSimpson Thacher & BartlettからSullivan & Cromwellに変更した。Simpson Thacher & Bartlettは別のクライアントと利害関係が生ずる事案のため法律顧問を辞退した。
深読みしたくなる出来事だが、この変更に詳しい情報筋によると、この利害関係とはSimpsonのクライアントであるAOL LLCとは無関係だという。Simpsonは、AOLがGoowy Mediaを買収することについて助言していたが、この買収はMicrosoftがYahooに対して買収提案を行う2日前の1月30日に完了している。
Yahooは、Microsoftに対抗するホワイトナイトとなるようAOLやNews Corp.などと交渉していると報じられている。
Simpsonの会長であるPete Ruegger氏は声明で、「当社はMicrosoftおよびその法律顧問チームを高く評価している。しかし、クライアントに対する当社の倫理的責任を全うするため、本件の代理業務を辞退する必要が生じた」と述べた。
Simpson Thacherの広報担当者は、Ruegger氏の声明以上のことにコメントすることを避け、利害関係にあるクライアントの名も明かさなかった。
同情報筋によると、問題になったのは「障害がなくなる時期」とSimpson ThacherがMicrosoftの代理業務を続けるために必要な権利放棄をそのクライアントが行わなかった点だったという。Microsoftの買収提案は一方的だったため、利害衝突の可能性についてあらかじめ対処することができなかったのだという。
AOLのほか、DoubleClickもSimpsonのクライアントである。Simpsonは、Googleとの合併に関する事案で米連邦取引委員会(FTC)に対するDoubleClickの代理業務を担当し、これを成功させている。FTCはこの買収を承認した一方、欧州委員会ではまだ手続き中であり、現在もSimpsonが代理している。
Lawyer.comのリポートによると、Microsoftは当初から、Yahoo買収での独占禁止に関する代理業務にSimpson Thacherを含めていなかったとしている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ