フラッシュメモリの価格低下が打撃となり、Intelの2008年第1四半期の利益は当初の見込みを少々下回ることになりそうだ。
Intelは米国時間3月3日午後、「NAND型フラッシュメモリチップの価格が当初の予測を下回ったため」粗利益率の見通しを56%から54%へと下方修正すると発表した。それまで、同社は粗利益率について、56%を挟んだ「上下数ポイント」の範囲内と予測していたことを考えると、これはある意味、見通しを絞り込んだだけとも言える。しかし、予測値の下限への絞り込みは通常、歓迎されることではない。
Intelは、STMicroelectronicsとの合弁会社Numonyxを設立し、好不調の波が激しいフラッシュメモリ事業から抜け出そうとしている。Numonyxは、2008年第1四半期の終わりまでに事業を開始する予定だ。両社のNumonyxの株式保有率は50%未満なので、Numonyxが事業を開始すれば、両社はフラッシュメモリ事業を連結対象から外すことが可能になる。
しかしそうなるまで、不安定なフラッシュメモリ市場がIntelの懸念材料であることは間違いない。また、2008年にこの業界が近年で最高の年を迎えそうな気配はない。さらに、フラッシュメモリ価格の下落は前兆にすぎず、今後さらに憂慮すべき事態が生じる恐れもある。
ここ数年、一般消費者はハイテク製品を熱狂的な勢いで購入してきたが、信用収縮と他の商品の価格高騰を受けて、このブームもついに終わりを迎えるとの見通しが出てきた。そんな中、Appleは2008年向けのフラッシュメモリ発注数を削減したと報じられている。一方、Intelは自社のNOR型フラッシュメモリに関する資産やリソースをNumonyxに譲渡する予定だが、NOR型はNAND型のフラッシュメモリに対し劣勢が続いている。
Intelは5日にカリフォルニア州サンタクララで投資家会議を開くことになっている。2008年の今後をIntelがどう予測しているのか、この会議でさらなる情報が明らかにされるかもしれない。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ