MSからヤフーへの最後通達--バルマー氏の書簡を全文掲載

文:CNET News.com Staff(CNET News.com) 翻訳校正:吉武稔夫、高森郁哉

2008-04-07 12:21

 編集者注:これは、Microsoftの最高経営責任者(CEO)Steve Ballmer氏が米国時間4月5日、Yahooの取締役会に送付した書簡の全文だ。この中で同氏は、446億ドルの買収提案に対する回答期限を3週間としている。

 94089 カリフォルニア州サニーベイル

 ファーストアベニュー 701

 Yahoo! Inc. 取締役会

 2008年4月5日

 取締役各位

 Yahooに対する買収を提案してから2カ月以上が経過しました。提案前日に当たる2008年1月31日の株価終値に62%のプレミアムを上乗せした額を提示しましたが、これほど高額での買収提案は、迅速かつ真に友好的な交渉の基盤を築くためです。それにもかかわらず、この2カ月間における進捗状況は、迅速とは言い難いものでした。

 両社経営陣の間でわずかばかりの話し合いがあったとはいえ、合意形成のために意味のある交渉は一切行われておりません。同業他社との提携を含む選択肢を検討し評価するために取締役会が開かれたことは承知していますが、経営陣に対してMicrosoftとの交渉を行う権限を与えた様子はうかがえません。これは、当社が提示した選択肢によってのみ、Yahooの株主に対し持ち株分に応じた十分かつ公正な価値を提供するとともに、Yahooの将来を左右する議決権を委ね、またコンテンツ制作者や広告主、消費者にとっても選択の自由が広がるという事実に背くものです。

 こうした進展のない2カ月の間にも、インターネットがその歩みを止めることはありませんでした。一方で、一般企業にとっても、また、インターネット関連企業だけを見てみても、一般株式市場と経済状況全般はかなり悪化しています。それと同時に、Yahooの検索とページビューのシェアが低下したことも市場調査の結果からうかがえます。そして最後に、あなたがたが採択した新しい計画により、いかなる方針の転換にも余計なコストが必要になりました。

 いかなる公正な基準によっても、われわれが2008年1月に提示したプレミアムは、現時点ではさらに大きな意味を持っています。Yahooが公表した将来の見通しを検討してみても、株主の大部分が同じような評価を下すものと考えています。

 これまでの経緯を考慮すれば、今こそ両社が合併の最終的な合意に向けて話し合いの席に着くべき時だと考えます。この合併により、株主にはこれまで以上の価値をもたらすことが可能となり、効率的で競争力の強い企業を構築し、消費者にすばらしい価値とサービスを提供できるようになるのです。今後3週間以内に結論に至ることができなければ、当社としては、株主に対して直接的行動を起こすこともやむを得なくなります。これには、Yahoo取締役会の新しい取締役候補を選出するための委任状争奪戦も含まれます。当初の提示額で示した高額なプレミアムは、あなたがたとの友好的な交渉を期待してのものでした。株主に対する直接的交渉という手段を取れば、当社から見てYahooの価値に好ましからざる影響が及び、それが提示条件にも反映されることとなります。

 当社との実質的交渉に入ることを避け、Yahooの株主と従業員に大きな利益をもたらすはずの交渉を検討する機会を逃すことになれば、それは不幸なことです。この機会を逃さないことが非常に重要だとわれわれは考えております。

 敬具

 Steven A. Ballmer

 最高経営責任者

 Microsoft Corp.

この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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