Bill Gates氏が間もなくMicrosoftを去ろうとしているが、Gates氏とMicrosoftが、今後互いの存在なしにやっていくのは難しい、とNewsweek誌の新刊は述べている。
Gates氏は今週でMicrosoftの常勤職を退き、今後は370億ドルの資金を有する、同氏自身が設立した慈善団体の運営に集中する。そのGates氏をテーマにした記事をSteven Levy氏が執筆した。Levy氏はその記事の中で、Gates氏が在職中のMicrosoftの成功と挫折、およびMicrosoftとGates氏が今後直面するであろう困難な移行について書いている。
そのNewsweekの記事には、反トラスト法違反関連の捜査、Windows Vista対Windows XP、インターネット検索分野においてMicrosoftがこれまで直面したさまざまな問題について書かれているが、それらに加え、Gates氏を最も良く知る人物、およびGates氏自身が語った個人的な見解も記されている。
「彼は単にBill Gatesというだけでなく、あの有名なBill Gatesなのだ」。これは、数十年間Gates氏の右腕を務めたMicrosoftの最高経営責任者(CEO)、Steve Ballmer氏の言葉だ。
「彼はMicrosoftを設立し、これだけの富を築き、財団を設立し、現在の名声を得た。これらは掛け替えのないものだ。またBillは、Microsoftのすべての技術とともに歩んできた。彼は私が知る限り、最も優れた記憶力の持ち主だ。彼ほどの『人間の幅』を持ち合わせた人物は今後二度と現れないだろう」
また、Gates氏から最高ソフトウェアアーキテクト(CSA)の職を引き継いだRay Ozzie氏は、Microsoft社内で緊迫感を醸成したのはGates氏本人だと語る。
「Microsoftの強みの多くは、Billが危機の文化を作ってくれたおかげだ。仮にGoogleが存在していなかったら、同社に代わる別のライバル企業を作り出す必要があった。Microsoftは今、これまでにない強さを誇っている。仮にBillが去り、Microsoftが新たな段階に移行しなければならないとしたら、今こそ最適な時期はないだろう」
Gates氏と共同でMicrosoftを設立したPaul Allen氏は、1983年に自身がMicrosoftを退職した当時の感想を語った。
「人々が日々あなたの決定に依存していない場合は、その移行がいかに劇的かということを必ずしも認識できない」
ではBillはどうか。もはやビジネスの最前線でApple、Google、Mozillaといったライバル企業と戦えないことに物足りなさを感じることがあるだろうか。同氏がNewsweekに語った次の言葉を読む限り、そのようなことはなさそうだ。
「飢餓や死に関する問題に比べれば、誰がどのOSを使うかなど取るに足らないことだ」
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ