Intelの最高経営責任者(CEO)であるPaul Otellini氏は米国時間7月14日、同社の決算に関する電話会議の中で、安価な「超薄型ノートPC(ultra-thin)」はネットブックに欠けているものをユーザーに提供できるだろう、と述べた。Intelはこのところ、さまざまなフォーラムで、このテーマを繰り返し取り上げている。
Intelは、この新しくて利益率の高いノートPC分野を、依然として高いマインドシェアを保持するネットブックの領域にまで拡大する努力を続けている。超薄型ノートPCとは、Intelの超低電圧(ULV)チップをベースとし、多くの場合13インチのスクリーンを搭載した、低コストのノートPCのことである。ネットブックは通常、11インチ以下のスクリーンを搭載し、より低コストで、より低パフォーマンスなIntelの「Atom」プロセッサを使用している。
Otellini氏は、超薄型ノートPCはネットブックの欠点を埋めると述べ、ほかの複数の幹部が過去に発した言葉を繰り返した。Otellini氏は電話会議中、アナリストの質問を受けて、「これらの機器(ネットブック)で3Dゲームのプレイやオフィスアプリケーションの実行を試みたユーザーの多くは、動作が少し遅いと感じる傾向にある。そして、それはプロセッサだけのせいではなく、アーキテクチャ全体の問題である」と答えた。この電話会議は、Intelのウェブサイト上でストリーミング配信された。
「今は、薄型で軽量のノートPCが欲しければ、ネットブックのほかにも選択肢がある。より多機能のノートPCを、手ごろな価格で入手することもできるのだ」とOtellini氏は述べた。
ネットブックと、Acerの699ドルの「Aspire Timeline」に代表されるような、より高価な超薄型ノートPCという認識が消費者の間で定着しているため、後者の超薄型ノートPCは市場での位置づけが困難になっている。
「わたしたちが最初に超ポータブルPC(超薄型ノートPC)をリリースしたとき、多くの人はそれを見て、『これはネットブックだ』と言った」とFalcon Northwestの社長を務めるKelt Reeves氏は述べた。Reeves氏はユーザーの誤解に関して、「それは間違いだ。超薄型ノートPCはサイズの面ではネットブックに近いが、性能に関しては遙かに上回っている」と話した。
「Windows 7」は、こうした混乱状態を改善するという点においては、あまり成功しないかもしれない。「Windows 7は、199ドルのネットブックでも快適に動作する」と投資銀行Collins StewartのアナリストであるAshok Kumar氏は述べた。Kumar氏によると、Intelは今後も、ネットブックと超薄型PCに関する消費者の認識への対処に苦労する可能性があるという。
さらに、Otellini氏は共食いの問題に再び言及した。すなわち、ネットブックには、よりメインストリームのノートPCから市場シェアを奪う傾向があるという問題だ。Otellini氏は別のアナリストからの質問に答えて、「共食いと言っても、ネットブックの割合はおそらくノートPC全体の20%程度だろう」と述べた。
さらに、Otellini氏は、電気通信事業者が販売するワイヤレスの3G機器として、ネットブックの人気がさらに拡大するかもしれない、と述べた。「2010年には、こうした動きが業界の主流になるとわたしは考えている。Best Buyでは先週、Sprintと2年契約を結べば、0.99ドルでネットブックを購入できるという広告が出ていた。今後は、このような販売手法がますます増えていくだろう」とOtellini氏は話した。
この記事は海外CBS Interactive発の記事をシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 原文へ