ユニシス、銀座を拡張現実で楽しむ「ギンザメガネ」:東京ユビキタス

富永恭子(ロビンソン)

2010-03-11 17:06

 日本ユニシスは3月11日、「東京ユビキタス計画・銀座」に参加し、3月15〜19日にユビキタスや拡張現実(Augmented Reality:AR)などの技術を活用して手ぶらで銀座の懐かしさを感じられる観光支援・店舗情報配信サービスを検証すると発表した。

 今回のサービスでは、指先一つで懐かしい銀座へ戻った感覚が味わえるという「タイムトラベルナビ」を提供する。江戸から平成までの時代ごとの銀座の街並みを、現実と重ね合わせて見ることができ、関連する映画やテレビドラマ、小説、アニメ、歌謡曲なども楽しめるとしている。

 ガイドブックにあるような文章や地図、写真だけでなく、スマートフォンを活用することで音声や音楽、動画などもあわせて視聴できるという。ネット上の最新の情報やクチコミなどもあわせて表示し、過去の情報だけでなく、現在の銀座の出来事や見どころなどリアルタイムの情報や店舗の雰囲気や価格帯などを表示する店舗情報なども配信するとしている。

 スマートフォンは、それを支え操作する必要があるため、カバンや土産物を持つ街歩きの人たちにとって使いにくいものとなる。そこで今回の実験では、ハンズフリー機器としてメガネ型ディスプレイやヘッドホンを用いた「ギンザメガネ」も提供する。目の前の建物の名前や歴史、見どころを知りたい時に手ぶらで操作することができるという。

 東京ユビキタス計画は、2006年から東京都と国土交通省が連携し、先端技術を街づくりに活用して地域振興や産業振興、観光振興を図るとともに、場所やモノに世界唯一の固有識別子「ucode」(固有ID)を付け、コンピュータが自動認識することで現実世界と仮想空間を結び付けるユビキタスID技術の実用化を目指して行われている実証実験。

 2009年10月からは、国土交通省のユビキタスID技術を活用して、あらゆる歩行者が移動に関する情報を入手できる環境を街づくりの中に構築する地方公共団体などの取り組みを支援するモビリティサポートモデル事業とも連携し、ユビキタスID技術を活用して、一般来訪者を対象に銀座の街の情報を提供し、都議会議事堂や都庁展望室などを紹介する観光支援・店舗情報配信サービスの実験を実施しているという。

 日本ユニシスは、街づくりや地域活性化、観光に対して継続的に取り組んでおり、今回のサービスは、拡張現実で観光地の懐かしい情報や付加的な情報を提供し、見どころを増やすことで利用者の満足度を高め、新たな人の流れを作ることが狙いだという。

 今後は、歴史的な観光資源や老舗店舗情報などが豊富な地方都市や観光地、商店街、ショッピングモールなどでの展開を考えており、導入を検討される観光地や商店街、コンテンツプロバイダーの関係者も、モニターとして参加体験することが可能だとしている。

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