今の時代、何でもかんでもクラウドへと移行している。
こんな風に感じてしまうこともあるが、実はこれは事実ではない。クラウドコンピューティングは誰もが口にするバズワードとなり、ありふれたものと化した。
ところがMcKinsey & Co.は最新の調査結果の中で、多くの大企業にとってクラウドモデルの採用は採算の合わない過ちになると述べている。調査結果は先週、Uptime Instituteが資金提供するシンポジウムで発表された。Uptime Instituteはデータセンターの効率化に関する事業を手がける。
McKinseyのリポート「Clearing the Air on Cloud Computing(クラウドコンピューティングに立ち込める暗雲を吹き飛ばすが転じて、クラウドコンピューティングの誤解を解くの意)」では、一般的な企業データセンターをクラウドに移行すれば、コストが2倍以上に膨れ上がると結論付けている。調査ではクラウドコンピューティングにアウトソースした場合のコスト算出モデルとしてAmazonの有名な「Web Services」を利用している。McKinseyによると、データセンター機能にかかる総コストは従来のデータセンターが1CPUあたり150ドル/月であるのに対して、クラウド化すると366ドルになるという。
クラウドへの移行の結果として削減できる労働力についても大袈裟に喧伝されており、企業ソフトウェアのケアやユーザー支援などは依然として労働力もコストも要するのが実態である。
これは換言すれば、クラウドでコストが削減できるというのは誤解であるということ(さらにリポートでは、減価償却費の計上による税務上のメリットを享受できることから、ほとんどの企業にとってハードウェアを所有するのは得策だと述べている)。
その一方で、売り上げ5億ドル以下の中小企業にとってはクラウド化はメリットがあると、McKinseyは述べる。
調査では、経費をさほどかけずに効率性を上げられるとして、IT専門家たちは仮想化に取り組むべきであることを示唆している。McKinseyによれば、データセンターのサーバ稼働率は平均10%だが、仮想化を取り入れれば簡単に18%になるという。さらに積極的に仮想化を取り入れれば、稼働率は35%に到達するともリポートには書かれている。
UPDATE:IBMはリポートに対し、以下のような反論をしている。
このリポートからは、大企業はデータセンター事業のすべてをAmazonのパブリッククラウドにアウトソースするわけではないという視点が抜け落ちていると、IBMは考えている。ワークロードが違えば、求められるサポートも違ってくる。またクラウドモデルに移行すべきでないアプリケーションというものもある。
むしろIBMは、多くのクライアントがパブリック、プライベートの両方のクラウドモデルを組合わせて採用することで、ビジネスレジリエンシーや情報保護サービス、コラボレーションサービスといった特定アプリケーションなどの既存のリソースを有効活用している。IBMの調査によると、クラウドコンピューティングは企業内のオフィススペースを最大80%、消費電力や冷却コストを最大60%カットし、資産活用を3倍に向上させ、所有する資源の効率活用を可能にする。季節的な影響を受けるなどワークロードが変動しやすいタスクにおいてはあふれた分をクラウドにまわすこともできる。これも、非効率性をなくしコストを削減するうえで魅力的な点だ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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