組み込み機器用Linuxを販売するMontaVista Softwareは、新しいソフトウェア基盤を同社の製品ラインに追加した。
同社は現在、3種類のLinux--通信機器向けの「Carrier Grade Edition」、携帯電話向けの「Mobilinux」、そして家電製品などのデバイス向けの「Professional Edition」を販売していたるが、このうちMobilinuxのバージョン4.0を今四半期中に出荷する予定だと発表した。このMobilinux 4.0は、最新の2.6 カーネルが使われているという。
Mobilinux 4.0は、さらに高速で、優先度の高いタスクに対してデバイスを迅速に反応させる「リアルタイム」サポート機能を備え、サポートするプロセッサのアーキテクチャも増えていると、MontaVista SoftwareのPeder Ulander(マーケティング担当バイスプレジデント)は述べている。また、Mobilinux 4.0ではデバイスの起動時間が1秒未満となり、消費電力も少なくなるという。
バージョン2.6を次にサポートする製品は、5月16日に発表予定のCarrier Grade Editionで、新たにIPv6とIPsecの両標準をサポートする。IPv6 は、次世代のインターネットプロトコルとして、現行のIPv4より多くのデバイスをサポートしている。
組み込み機器市場ではLinuxの人気が高まっているが、これはLinuxが他のプロプライエタリな製品とは異なり、無償での利用や配布が可能なためだ。しかし、いくつかの企業がこの市場に参入し、デバイスメーカー各社に対してソフトウェアのサポートや検証、必要とされる機能の開発を行うことで、利益を得ようとしている。
MontaVistaは、組み込みLinux市場を支配しており、現在も成長中だが、その立場は保証されているわけではないとVenture Development CorporationのChris Lanfear(組み込みソフトウェア研究担当ディレクター)は言う。同氏はその理由として、デバイスメーカーがLinuxについての知識を深めていることから、各社が社内でLinuxを開発/サポートする可能性があるとこと、Wind RiverやTimeSys、Eneaなどの企業との競争が新たに始まっていること、さらにMontaVistaのプログラミングツールであるDevRocketはさほど強力ではないことを挙げた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ