Red Hatは米国時間10月24日、愛好家向けLinuxバージョンの最新版となる「Fedora Core 6」のリリースを発表した。インストール時のオプションが拡充され、前バージョン、前々バージョンに引き続き、Xen仮想化ソフトウェアが搭載されている。
Fedora Coreは、「Red Hat Enterprise Linux(RHEL)」の先行プロジェクトとなる無料のOS。RHELは年間サブスクリプション料金を支払えば長期サポートを受けられるのが、Fedora Coreとの違いである。Fedora Core 6は実質的に、2006年末から2007年初頭にかけてリリースされる「RHEL 5」のたたき台として位置付けられている。
RHEL 5における最大の変更点は、オープンソースの仮想化ソフトウェアである「Xen」に搭載される機能の強化である。Xenは、仮想マシンと呼ばれる個別のコンパートメント内で、複数のOSを同時に動作させるソフトウェアである。効率的に稼働できていない複数のサーバを1台のサーバに置き換えることが可能な仮想化技術は、x86系サーバに実装されるようになっている。
Fedora Projectのリーダーを務めるMax Spevack氏は、Fedora Core 4および5にもXenは搭載されていたが、Fedora Core 6のXenはRHEL 5に搭載されるものにとても近いものになっていると話した。グラフィカルな管理ツールでXen仮想マシンをコントロールする機能などが、主な特徴だという。
「コマンドラインを使わずに、Xenのインスタンスを生成、削除、起動することが可能になった。高い技術スキルを持つLinuxデスクトップユーザーなら、仮想化という考え方に飛びつくだろうが、それでも仮想化技術を使いこなすのは難しい。新たなグラフィカルツールによって、だれでも手軽に仮想化技術を利用できるようになればよいと思っている」(Spevack氏)
ユーザーはFedora Core 6のインストール時にXenの利用を選択できると、Spevack氏は説明している。
このほか、インストール用ソフトウェア自体にも大きな変更があったという。yumアップデートソフトウェアを使って、コンピュータの設定中に新しいソフトウェアを追加することが可能になったのである。