間もなく発表される予定のレポートによると、パッケージ版「Windows Vista」の販売台数は、「Windows XP」の発売当初の販売台数とほとんど同じような動きを示しているという。
NPD Groupによると、製品発売後の最初の6カ月で、Windows Vistaの米国の小売店における単体製品の販売台数は同期のWindows XPの販売台数を59.7%下回った。売り上げの面でも金額は下回っているが、下落幅はそれほど急激ではなく41.5%にとどまっている。レポートの内容は、Vistaが1月に発売されてから1週間にNPDが観察した売り上げのパターンをほとんど反映している。
Vistaの小売店における販売台数についてNPDのアナリストであるChris Swenson氏は「あまり良くない」と指摘するが、ほとんどのユーザーは新しいPCにプリインストールされたOSを購入しており、パッケージ版を購入する消費者は少数だと付け加えた。「Windows Vista Still Underperforming in U.S. Retail(米国小売販売で依然伸び悩むWindows Vista)」と題するレポートは米国時間9月14日に顧客に送付される予定。
Microsoftもパッケージ版の売り上げに関する分析は、Vistaの勢いを反映していないということで意見が一致しており、ユーザーがPCの新規購入時にプリインストールされた新規のOSを購入する傾向は、Vistaではさらに加速していることを指摘している。
MicrosoftはCNET News.comに対して声明で、「レポートの内容をまだ見ていないのでコメントできないが、われわれが追求しているすべての市場区分で引き続き軌道に乗っている」と述べ、「2007年夏には、6000万本以上のライセンスを販売した」と語っている。
Microsoftは規制当局に対する報告書の中で、Windowsの売り上げの80%以上はWindowsを新規マシンにインストールして販売するコンピュータ製造業者からのものであり、パッケージ版は総売上高のほんの一部に過ぎないと述べている。そしてPC市場は5年前と比べてはるかに大きくなっている。調査会社のGartnerによると、2001年に世界で販売されたPCの台数は1億2800万台だったが、2006年にはおよそ2億3900万台販売されたという。
Vistaの販売台数は多くの面でPCの販売台数と密接に関連している。大きな要因の1つは、企業がVistaに移行する速度である。大部分の企業はまだ、Vistaの大量導入に踏み切る動きを見せていないが、MicrosoftはInfosys、Citigroup、Charter Communications、Continental Airlinesなどの企業が大量に導入したと宣伝し始めている。
MicrosoftはVistaの発売前に、発売初年度には企業がXPの時の2倍のペースでVistaを導入することを予測していると述べていた。
しかし、多くの企業はMicrosoftがVistaの初回のアップデートをリリースするまで導入の検討は控えると述べている。MicrosoftはWindows Vistaの初回サービスパックのベータ版のテストを開始しようとしているが、完成したサービスパックがリリースされるのは2008年である。
Vistaと同日に発売された「Office」の小売販売台数に関するニュースは明るい。