オープンソースのハイパーバイザー型仮想化ソフトウェア「Xen」のコミュニティーが、サービスプロバイダー向けの新しいクラウドプラットフォームを構築する計画を発表した。このプラットフォームは、オープンな標準を使ってプライベートクラウドとパブリッククラウドの両サービスを連携させることを目指すイニシアチブの基礎として位置づけられている。
米国時間8月31日に発表された「Xen Cloud Platform(XCP)」は、Xenハイパーバイザーを使って、強化されたセキュリティ、ストレージ、ネットワーク仮想化といった機能を組み合わせる予定だ。Xenは、仮想化されたOSをサーバハードウェア上で実行するのに使われている。
だが、より広範なXCPイニシアチブの主目標は、2009年4月に設立されたオープン標準の業界団体Distributed Management Task Force(DMTF)のオープンな標準技術を利用して、ハイバーバイザーに依存しない形式で仮想アプライアンスをパッケージ化し、ベンダーに縛られずにプライベートクラウドとパブリッククラウドの間を移動できるようにすることだ。
Xenの生みの親であるIan Pratt氏は、声明の中で次のように述べた。「今日、Xenはすでに、サービスプロバイダー市場で最も広く利用されているハイパーバイザーであり、コミュニティーはこの勢いに乗って、クラウドに最適化された完全かつオープンソースのXen仮想インフラプラットフォームを開発できるだろう。われわれの目標は、プロプライエタリではないオープンで利用しやすい方法で、企業によるクラウド採用を促進する豊富なサービスを(プロバイダーから)提供することだ」
Xen.orgによると、XCPイニシアチブは、パブリッククラウドとプライベートクラウドの橋渡しをする新しい仮想化管理ツールの開発に取り組むものではないという。この分野にはすでに、市販の製品と、EucalyptusプロジェクトやOpenNebula.orgといったオープンソースのイニシアチブが十分に提供されているからだ。
その代わり、新しいイニシアチブは、ストレージ、セキュリティ、ネットワーク仮想化など、「Xen.orgの一環としてすでに開発が進められている」技術を基にプラットフォームを構築する、と同コミュニティーは述べ、こう付け加えた。「結果として、この新しいプラットフォームは、セキュリティや独立性をめぐるクラウドプロバイダーの要件に取り組むだけでなく、セキュリティ、可用性、パフォーマンス、独立性、業務用インフラと非業務用インフラ間の管理などに関する次世代ユーザーの要件にも応えていく」
Citrix、Hewlett-Packard(HP)、Intel、Novell、Oracleを含むXen.orgの諮問委員会のメンバーに加え、NetApp、Advanced Micro Devices(AMD)、Dell、富士通、Juniper Networks、GoGridといった多くの企業も、XCPイニシアチブを支持している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ