独立行政法人情報処理推進機構セキュリティセンター(IPA/ISEC)、有限責任中間法人JPCERTコーディネーションセンター(JPCERT/CC)、NPO日本ネットワークセキュリティ協会(JNSA)の3団体は7月8日、JCE(Java Cryptography Extension) 1.2.1と呼ぶ特定のソフトを用いたJavaシステムが7月28日6時43分に不具合が起こす可能性がある点を警告し、ソフトのアップグレードを呼びかけた。
JCE 1.2.1は、5年前の2000年7月に米Sun Microsystemsが出荷したJava言語の暗号処理ライブラリである。このJCE 1.2.1のディジタル証明書の署名の有効期限が7月28日6時43分(日本時間)に切れる。JCE 1.2.1は証明書の有効期限が切れたプログラムの動作を制限する設定になっているため、JCE 1.2.1を採用したJavaシステムの動作に不具合が出るおそれがある。
対処方法は、JCEの新版1.2.2へのアップグレードである。問題のあるJCE 1.2.1はJDK/JRE 1.2のオプション・パッケージとして提供していたものだ。JDK/JRE 1.4以降からは、証明書の有効期限問題を解消した新版のJCEが標準パッケージとして最初から含まれている。
今回の問題は、古版などでJCE 1.2.1を含んだ製品を出荷していたベンダー各社が自社のホームページで各自報告している。商用製品を使っているユーザーの多くはパッチやアップグレードなどで対応済みのケースが多いと思うが、古いシステムを手を入れずに運営しているユーザーは注意が必要である。