セキュリティ上の脅威が増大しているにも関わらず、企業は安穏とユーザー認証にパスワードを使用し続けているとGartnerのアナリストは警告している。
現地時間9月14日にロンドンで開催された「Gartner IT Security Summit」において、GartnerのリサーチバイスプレジデントAnt Allanは「セキュリティ上の脅威が高まるなか、パスワードはもはや、(ユーザー認証手段として)適切なものとはいえなくなっている」と述べた。
こういった脅威は、Wi-FiやWebサービスといったテクノロジーの台頭に呼応する形で増加している。これらの技術の普及に伴い、その脆弱性を狙うサイバー犯罪者も増加する。Gartnerは、企業は新たなテクノロジーを採用することでビジネスバリューを創造できるとしたうえで、その際にはセキュリティレベルの維持にも配慮する必要があると述べた。
洗練された攻撃が増加し、サイバー犯罪グループの手口がより巧妙化してきたことに対抗するため、企業はパスワードを長くしたり、その変更を頻繁に行うようになっている。GartnerのリサーチバイスプレジデントJay Heiserは「こういった考え方は間違っている。そんなことをすれば、ユーザーはパスワードを忘れてしまうか、書き留めるようになるので、別の意味でセキュリティが弱くなってしまう」と説明する。
認証は将来的に「もっと強力なもの」となるというAllanは、「RSAのセキュリティトークンやスマートカード、生体認証を採用する企業は増えている。しかし、こういった方法には、導入費用が高いという問題点がある」と述べている。
企業に対して二要素認証--ユーザーがパスワードに加えて第2の身分証明情報を示す--を採用するよう勧めているセキュリティ専門家も存在する。だが、誰もが二要素認証を将来的な解決策として認めているわけではない。セキュリティ界の権威であるBruce Schneierは、2005年初めに行われたインタビューにおいて、二要素認証に反対する意見を総括して、「二要素認証は、現在横行している個人情報盗難の問題に対する解決策として売り込まれているが、実はこれは10年前の問題を解決するために設計されたものだ」と述べている。
Allanは、「欧州の企業は、こういった解決策の導入によるコストの増加を受け入れる傾向にあるが、米国の企業は(複雑な手続きで)ユーザーの負担を増加させたくないため、および腰となっている」と述べている。
費用面での負担の少ない手段としては、携帯電話トークンを使ったワンタイムパスワード認証や、IDカードなどがある。
セキュリティ対策企業Aladdinで法人営業部門のバイスプレジントを務めるColin Thompsonは、企業が何らかの物理的なIDとデジタルIDを組み合わせた認証を取り入れることから始めるべきだと述べる。
同氏は、「銀行口座にアクセスしようとすれば、キャッシュカードと暗証番号が必要だ」と述べ、「キャッシュカードを紛失すれば、セキュリティが危険にさらされているということがわかる。企業における個々のユーザーは、いまだに危険にさらされている。彼らも、スマートカードや身分証明書のものを使う必要がある」と説明している。
「二要素認証こそが、今後進むべき道である。ただし、いったんログインした後のシステムは、ユーザーにとって、もっと単純なものになっていなければならない。サイト毎にユーザー名やパスワードが異なる状況は何とかするべきだ」(Thompson)
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
「セキュリティ」 の新着情報
-
日本IBM、ICカードや生体認証デバイスに対応したアクセス管理製品の新バージョン
日本IBMは、アクセス管理ソフトウェアの最新版である「IBM Tivoli Access Manager for Enterprise Single Sign-On V8.1」を発... - IE 7のゼロデイ脆弱性に攻撃コードが公開される
- Operaにセキュリティパッチ--「極めて重大」な脆弱性を修正
- 「iPhone」と「iPod touch」を狙う危険なワームが出現
- マイクロソフト、「IE」のCSS処理に関する脆弱性を調査中と発表
- セキュリティ 一覧へ »
「セキュリティ」 のバックナンバー
-
ネットスプリング、SSO機能をアプライアンスで提供する新製品「SSOcube」を発表
ネットスプリングは、企業内の複数のアプリケーションにおける認証管理を一括して行う「シングルサインオン(SSO)」を実現するアプライアンス製品「SSOcube」(エスエスオー・キューブ)を発表した。 -
運転免許証のICカードで個人認証、NTTデータが事業化に向け開発開始
-
日本IBM、ICカードや生体認証デバイスに対応したアクセス管理製品の新バージョン
-
iモードブラウザ2.0の「かんたん認証」を利用した不正アクセス手法が発見される
-
「iPhone」と「iPod touch」を狙う危険なワームが出現
- セキュリティ 一覧へ »
-
日本モバイルインターネット端末市場分析 〜2008〜2012年のMID及びスマートフォン...
- POSデータを活用し、売上アップを導く「分析力」とは?
- BIベンダーの選び方 −BIベンダー選定のための評価フレームワーク
- 【導入事例集】多業種から評価されているWeb会議システム、24社の導入事例をご紹介
- CRMの限界を超える!「顧客経験価値マネジメント」実現の5段階
- 企業コスト削減の傾向と対策 〜最新アプローチのトレンド〜
- 【日産自動車:BI導入事例】連結対象の36社からの情報を元に車種別損益管理を実現
- ストレージ問題の課題に対する解決方法
- iPhoneをビジネスで活用する時代へ〜ビジネス&モバイルのミライ〜
- 中堅企業におけるテクノロジーと成長
企画特集
-
電力に"ふた"をする独自の省エネ機能とは!?
動的に電力割り当ても可能なHPの最新鋭ブレードに迫る -
マネジメントの「コラム」と「コネタ」
今日のキーパーソンは誰? -
【最終警告】パンデミック対策特集
サービス品質を保証するためのリスクマネジメントとは -
大丈夫?あなたの会社のセキュリティ対策
中堅・中小企業のネットワーク・セキュリティを考える -
企業ITシステムの企画、構築、運用のイロハ
戦略的なITシステムのために、今考えるべきポイント -
100万円で実現!中小企業の情報漏えい対策
中小企業の課題!?セキュリティ管理者不在でも大丈夫 -
グリー、3人のエンジニアが語る仕事への想い
連載第2話、元SIerに聞くリニューアルと開発の舞台裏 -
高まるiSCSIストレージへの注目度
ストレージシステムの4つの課題とiSCSI導入のメリット -
―エン・ジャパン厳選求人☆毎週更新―
ハンゲームの社長が語る・人材とサービスの在り方 -
容量制限によるメール消去は一切無し!
全てを保存するメールセキュリティSaaSが登場 -
J-SOX法制定により内部統制の整備が急務に
重要性高まるActive Directoryの課題と対処法を公開中 -
急増するオンライン犯罪への解決策!
オンラインサービス保護ソリューション
-
17. Intel Threading Building Blocks
オライリーブックから出版されている「Intel Threading Building Blocks... -
18. Intel Integrated Performance Primitives
単に最適化コンパイラを使うよりもパフォーマンスを良好にするルーチン...
新着企業動向
-
kotobank、収録する辞書情報の一部提供を開始 第一弾 「@nifty辞書」に39辞書・37万語の情...
ECナビ -
情報セキュリティソリューションセミナー(より使いやすいセキュリティ特集)〜セキュリティ...
NRIセキュアテクノロジーズ -
事例のご紹介 Vol.14 | 情報インフラの全体最適化
EMCジャパン -
メールセキュリティSaaS『Mail Luck!セキュアタイプ』
NTTPCコミュニケーションズ(ネットワーク事業部) - 企業動向一覧へ»
