英国のオープンソースコミュニティで最も尊敬されている人物の1人であるAlan Cox氏は、オープンソースプロジェクトのセキュリティに関して人々は安心し過ぎていると警告した。
ロンドンで現地時間10月25日に開催された「LinuxWorld 2006」カンファレンスにおいて同氏は出席者らに対し、オープンソースシステムをハッキングするためにかなりの金額の資金が費やされていることを強調した。
そして同氏は、多くのオープンソースプロジェクトが安全からは程遠いと警告した。
「セキュリティに費やされる費用は莫大であるのに、状況は悪化している。セキュリティを打破するために多くの資金が費やされているからだ。ソフトウェアシステムを打ち破るために報酬を得る人々も存在する」とLinuxを販売するRed Hatに勤務するCox氏は参加者らに語った。
Cox氏は、「オープンソースソフトウェアはより安全で、信頼性が高く、バグも少ない、とメディアが報じることがあるが、これは非常に危険な見解だ」と述べた。
Cox氏は、調査対象となっているのが著名なプロジェクトだけだと述べた。同氏は、オープンソースコードのリポジトリであるSourceForgeのプロジェクト150件に対する調査を行っても、Linuxカーネルと同等の高水準な評価が得られるものはないであろうと指摘した。「高品質を有するのは、優れたコードレビューが行われ、優秀な人物が製作した一部のプロジェクトだけだ」(Cox氏)
「Microsoftが『われわれはセキュリティに力を入れている』と主張し、Linuxが『いや、われわれの方がセキュリティが高い』と反論するような議論は的を外れている」と同氏は付け加えた。
Linuxカーネルの開発に長年携わってきたCox氏は、その場を借りてオープンソースコードの品質を検証するために新しく立ち上げられたプロジェクトについても言及した。
欧州委員会が資金援助するSoftware Quality Observatory for Open Source Software(SQO-OSS)が25日に発足した。Cox氏は、基準設定が目的になってはならないと参加者らに語った。
「基準を設けるのはよいことだし、SQO-OSSの取り組みは大きなポテンシャルを秘めている」と同氏は述べた。「しかしこれには問題もある。このような方法論を確立することにはリスクも伴う」(Cox氏)
「満たすべき数値指標があるなかで、14件のバグが見つかったとする。簡単な13件のバグを修正したものの、最後の困難な1件を後回しにしたら、どうなるだろうか。これはセキュリティの世界ではよく生じるケースだが、これでは結果的に非効率的なセキュリティ対策となる」(Cox氏)
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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