世界最大のウイルス対策製品メーカーSymantecは米国時間2月26日、競争の熾烈化する消費者セキュリティ市場向けに新製品「Norton 360」を発売した。
消費者セキュリティ市場向けの新しいフラグシップ製品となるNorton 360は「Norton Internet Security」スイートの後継と位置づけられている。「Genesis」という開発コードで1年前に披露された同製品は、セキュリティソフトウェアやPC最適化ツール、バックアップ製品などのSymantecの従来製品に搭載されていた技術を多く含んでいる。もっとも、SymantecではNorton 360について、既存製品の寄せ集めではなく、新しい機能をたくさん含んだものであるとしている。
Symantecの製品管理ディレクターTom Powledge氏は「これは、あらゆる心配からPCを保護するプロダクトを望んでいる一般のPCユーザーに向けられたオールインワン型のセキュリティ製品だ。われわれはこれを、何でもかんでも詰め込んだだけの製品にはしたくなかった。搭載機能の数を競うようなことはしたくない。顧客にとって適切な機能を用意したいと考えた」と述べた。
Norton 360は、McAfeeの最新製品や、セキュリティ分野に参入したばかりのMicrosoftが2006年5月に投入した「Windows Live OneCare」と競合する。最新の各種セキュリティ製品はMicrosoftの製品のように、どれもがウイルス、スパイウェアからユーザーを保護するソフトウェアやファイアウォールに加え、Windows PCのデータをバックアップするためのツールや、PC最適化ツールを統合したものとなっている。SymantecやMcAfeeは従来、これらを追加機能として販売していた。
消費者セキュリティ市場における競争は、Microsoftの市場参入により激化した。Gartnerの調べによると、2005年時点の消費者ウイルス対策ソフトウェア世界市場は、前年同期比17%増の19億5000万ドル規模だったという。最大のシェアを獲得したのはSymantecで、占有率は70%となっていた。
Norton 360は、次世代オンラインセキュリティに向けてSymantecが描く「Security 2.0」戦略の一角を成す製品だ。Symantecは、オンライン商取引に対する消費者の信頼を取り戻すための戦略を自社から打って出るべきであると、自負している。これを実現するため、Norton 360にはマルウェアなどの従来の脅威からPCを守る技術だけでなく、オンライントランザクションを保護するための技術も搭載されている。
Norton 360はSymantecのオンラインストアで既に発売されており、3月には店頭に並ぶ予定。希望小売価格は、最大3台までのPCにインストールでき、機能アップデートが1年間利用できるものが79.99ドルとなっている。これはNorton Internet Securityに比べると10ドル高い。
SymantecではNorton Internet Securityのユーザーに対し、Norton 360へのアップグレードキャンペーンを提供する予定だ。新製品は提携先のPCメーカーなどからもバンドルとして提供される予定だ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ