電子メールセキュリティを専門とするMessageLabsは米国時間4月18日、電子メールを利用して気づかれずに侵入する標的型サイバー攻撃が増加し続けていることを明らかにした。
英国グロスターに拠点を置き、ホスティング型電子メールフィルタリングサービスを手がけるMessageLabsは、3月に716通の電子メールを傍受したうち、249件の標的型攻撃が同社の顧客である216の異なる企業、組織に対して仕掛けられていたことを報告書で明らかにした。このうちおよそ200件は、1つの標的に侵入するために作成された同一の悪意ある電子メールによるものだったという。
「これらの数字を、攻撃割合が1日に1ないし2件だった昨年同時期と比較すれば、大きく増大していることは明白だ」と同社は報告書に記している。
セキュリティ専門家は、限定的な攻撃が最も危険性が高いと指摘する。メールボックスに送られてくる、膨大な量の広く出回ったワームやウイルス、トロイの木馬などは通常、侵入を防ぐことができるためさほど重大な懸念にはならない。しかし、、特に一部の企業を狙った標的型のトロイの木馬は、防御システムをくぐり抜ける可能性があるため大きな脅威になっている。
「最も怖いのは、見えない攻撃だ。金銭的動機の絡む攻撃が増大しているので、攻撃者は見つけられることを避けようとする」とIntelの情報セキュリティおよびリスクグループでゼネラルマネージャを務めるMalcolm Harkins氏は語った。
セキュリティ専門家はこうした気づかれずに仕掛ける攻撃が増えることを予測しており、これにより組織は内部事情を探られたりといったありがたくない侵入に無防備になりかねない。
こうした標的型攻撃の場合に、よく攻撃者に悪用されるのが「Microsoft Office」のアプリケーションにある脆弱性だ。Microsoftとセキュリティ企業はこの数年間にわたって、「Word」「PowerPoint」「Excel」といったアプリケーションにある未修正のセキュリティホールを悪用した新しい小規模攻撃について、繰り返し警告している。
MessageLabsによると、3月の標的型攻撃の84%はMicrosoft Officeの脆弱性につけこんだもので、PowerPointのファイルフォーマットが最も一般的に使われているという。これは、同一のグループが台湾のインターネットアドレスから同じ攻撃ファイルを使って大量の攻撃を仕掛けているからだと考えられる。
こういった攻撃は通常、勤務のある平日に気づかれないうちに受信するように設定されていて、標的になりやすいのは、エレクトロニクスや航空、公的機関、小売業、通信関係だと、MessageLabsでは説明している。
「攻撃者たちは盗む価値のあるデータをどこが保有しているかわかっていて、1つずつ選んで攻撃する」とMessageLabsのシニアテクノロジストAlex Shipp氏は報告書で述べている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
関連情報
-
「確率は低いが被害は甚大」--脅威を増す標的型攻撃 [From CNET Japan]
カナダでセキュリティ会議「VB2006」が開かれた。専門家によると、大量に無作為にばらまかれるウイルスはもはや大きな脅威ではなく、企業などに標的を定めた目立たない攻撃が深刻な問題となりつつあるという。 - 「Word」に新たなゼロデイ脆弱性--2カ月で4件目
- 「Word」を再び襲うゼロデイ攻撃--マイクロソフトが警告 [From CNET Japan]
- Windowsのカーソル脆弱性が拡大の恐れ--専門家が警告
- MS、4月の月例パッチを予告--Windowsの「緊急」レベルの脆弱性を修正へ
- Windowsに新たなゼロデイ脆弱性--月例パッチリリースに合わせて明らかに
- 「Office」にゼロデイ脆弱性--4月度パッチ公開に合わせて明らかに
「通信」 の新着情報
-
複数のデータセンターを分散させたままでBCP/DRを展開:山武
業務に必要なシステムをデータセンターで稼働させている企業は多いと思うが、災害復旧(DR)を中心とした事業継続計画(BCP)... - 日立ソフト、「SecureOnline 出前クラウドサービス」発表--導入負担を軽減
- APC、アセスメントサービス拡充--赤外線カメラで高温部分を把握
- シマンテック、中小企業に関するIT調査を発表:57%がIT費用増加と回答
- 日本IBM、企業内クラウドの展開を管理するアプライアンス「CloudBurst」を発売
- 通信 一覧へ »
「セキュリティ」 のバックナンバー
-
ディザスタリカバリの対策費用は約1000万円、テスト手法の見直しを--シマンテックレポート
シマンテックは、全世界を対象に実施したディザスタリカバリ(災害対策)の調査結果を発表した。ダウンタイムで生じるコストが増大していることなどが明らかになっている。 -
2008年の情報漏えい、想定賠償金額は2300億円--NPOが試算
-
アップル、「iPhone」のSMS脆弱性を修正へ--IDG News Service報道
-
ソフトバンクテレコム、DDoS攻撃の検知サービスを開始
-
シマンテック、アジア太平洋地域における中小企業のセキュリティ課題をレポート
- セキュリティ 一覧へ »
ZDNet Japan Essential Topic
-
Windows 7の情報満載
MicrosoftのすべてがわかるZDNet Japanの総力特集 -
企業セキュリティ対策、待ったなし
ここを読めばセキュリティの動向、つかめます
企画特集
-
マネジメントの「コラム」と「コネタ」
今日のキーパーソンは誰? -
仮想環境を実現するソリューション特集
仮想化導入時、こんなところ気にしてますか? -
ストレージメディア特設サイト開設
仮想化環境において最適なソリューションを! -
セキュリティ&ユーザ事例【SIer Club】
最新のセキュリティ情報と提案事例が満載 -
インターネット上の悪意を未然に防ぐには?
ブラウザに備わったセキュリティ機能を徹底解説 -
そのストレージで仮想化に対応できますか?
メリット盛りだくさんのサンのオープンストレージ製品 -
今注目の「サジェスト検索」−デモ掲載中
システムのユーザビリティに革命を起こす技術とは -
集積度も性能も、業界最高水準のブレードPC
サーバの実装技術を、シン・クライアントへ応用 -
SOA、BPM、SaaS −今、企業に必要なこと
ビジネス・アプリケーションの今を網羅する特設サイト -
ロリポップ!がリニューアル
【第1回】創業者の家入一真氏が語る誕生秘話!! -
ESBでIT投資の無駄を劇的に解消する
IBM IMPACT 2009を徹底レポート! -
中小企業のセキュリティリスクとは?
導入する側・される側 得するセキュリティ製品 -
【徹底対談】運用管理ツールの賢い使い方
市場背景〜仮想化管理までアナリストが解説! -
パンデミック対策特集
2009年のパンデミック発生から再考する事業継続計画 -
◆エン・ジャパン厳選求人☆毎週更新◆
不況下でも急成長の秘訣とは?注目企業の取組みも公開! -
サービス・ドリヴン・データセンター
コスト効果の高いデータセンター構築には? -
エンタープライズにおけるSUSEの強み
次世代データセンターの基盤は11だ。 -
■ストレージ容量50%削減保証■
ネットアップによる削減保証キャンペーン実施中 -
サーバー監視・運用のコストを削減するには
エージェントレス方式を用いたパトロールクラリスで
ZDNet Japanからのお知らせ
- ご回答にはCNET_IDご登録が必要です。
-
15. プラグマフリー構文
この4分間のビデオは、プラグマ構文を知らなくてもOpenMPディレクティブ... -
16. 並列性の用語定義
この6分間のビデオでは、このシリーズのビデオを通じて使用される用語を...
新着企業動向
-
文藝春秋が携帯公式サイト「Numberモバイル」開設
株式会社文藝春秋 -
◆大阪開催!【10万円台からご提案】ITインフラモニタリング 「コスト削減」セミナー
ケイ・ジー・ティー -
事例のご紹介 Vol.2 | 事業継続
EMCジャパン -
SecureCube / PC Check
NRIセキュアテクノロジーズ - 企業動向一覧へ»
サーバやOS、アプリケーションなどの世界ではオープンソーススタンダードが市場を牽引する現在、ストレージの世界でもオープン化の流れが始まっている。
幸い今回は弱毒性で大事には至らなかったが、まだ油断はできない。企業活動を停止すると、大きな経済的損害や社会的信用の低下を招いてしまう。 
