シマンテックは8月4日、中小企業に特化したエンドポイントセキュリティ製品「Symantec Endpoint Protection Small Business Edition」を発表した。同製品は、専任のIT管理者がいない企業でも導入や管理ができるよう設計されている。
シマンテック 代表取締役社長 日本担当バイスプレジデントの加賀山進氏は、Symantecがワールドワイドで実施した従業員500人以下の中小企業へのアンケート結果から、「日本の中小企業は、他国に比べてセキュリティの意識が高く、適当なセキュリティソリューションがないことを問題視する声も多い。と同時に、日本は専任のシステム管理者が企業内にいる割合がグローバルレベルで見ると低く、予算不足や作業の時間不足が課題となっている」と指摘する。そこで、中小企業に特化した製品で「情報の安全と管理性の高さを中小企業にも提供したい」と加賀山氏は語る。
Symantec Endpoint Protection Small Business Editionは、ウイルス、スパイウェア、ルートキット対策のほか、不正侵入やアクセス防止、脆弱性対策、クライアントファイアウォールなどの機能を備えた製品だ。すでにエンタープライズ版が提供されているSymantec Endpoint Protectionだが、Small Business Editionでは、「高度な専門知識がなくても導入できるよう、インストールのステップをできるだけ自動化できるようにした。また、大規模で集中管理が必要な機能などは省いている」と、シマンテック ソリューション&プロダクトマーケティング部 セキュリティグル―プ プロダクトマーケティングマネージャの広瀬努氏は説明する。
また広瀬氏は、The Tolly Groupの調査結果から、同製品と他社製品を比べた場合、OSの起動時間が早いことや、Microsoft Office PowerPointのファイルを開く際のオーバーヘッドが少ないとしている。
シマンテックでは同時に、従業員100名以下の企業を対象としたスイート製品「Symantec Protection Suite Small Business Edition」と、それ以上の規模の企業を対象としたスイート製品「Symantec Protection Suite Enterprise Edition」を発表している。このスイート製品には、エンドポイントセキュリティはもちろんのこと、バックアップ&リカバリ製品と、メッセージングセキュリティ製品(Enterprise Editionのみ)が含まれている。
広瀬氏によると、Enterprise Editionでは、すべての製品を個別に購入する場合と比べて約70%の価格が抑えられ、Small Business Editionではそれぞれの製品の合計と比較して最大20%のコスト削減が可能だという。「企業の規模に合わせて機能と価格を最適化した」と広瀬氏は説明する。
今回発表された製品は、いずれも8月6日から販売開始となっている。