中国の教育機関2校がシリコンバレーに拠点を置くGoogleなど数社へのサイバー攻撃に関与していた、とThe New York Times(NYT)が報じた2日後、両校はいずれも関与を否定した。
NYTは米国時間2月18日、セキュリティの専門家らが今回の攻撃を追跡したところ、上海交通大学と藍翔高級技工学校のコンピュータに行き着いた、と報じた。だがAssociated Press(AP)によれば、中国の国営通信社である新華社通信は2月20日、上海交通大学の関係者がこの非難を「根拠がない」と主張し、藍翔高級技工学校の関係者は同校の調査で校内のマシンが攻撃の起点となった証拠は見つからなかったと述べた、と伝えたという。
上海交通大学は、コンピュータ科学のプログラムで知られている。またNYTによれば、藍翔高級技工学校は軍の支援を受けて設立された教育機関で、軍のコンピュータ科学者を養成しているという。
Googleは1月12日、中国の人権活動家らが保有する電子メールアカウントが、中国が発信源とみられる「非常に高度なターゲット型攻撃」を受けたと発表した。同社は、2009年12月中旬に攻撃を検知したと述べていた。
Googleはこうした事態を受け、中国における検索結果の検閲を中止する意向と、中国市場から完全に撤退する可能性を明らかにした。これは、中国で事業を行うインターネット企業各社にとっての苦難の歴史と不透明な未来を際立たせる宣言となった。
NYTによると、中国政府は中米関係の緊張を招くとして警告を発したのち、攻撃への関与を否定した一方、米国家安全保障局(NSA)などの専門家による調査では、発信元として台湾にあるサーバに行き着くにとどまったという。不正侵入への中国教育機関のかかわりを示す調査結果は、この事件の突破口となる可能性があるが、だからといってこの結果が、中国政府から発せられた攻撃を直ちに意味するわけではないし(情報源によれば、コンピュータ攻撃においては、特に中国政府関係者に端を発するとの証拠を発見することは一般に困難だという)、中国が発信源だということの確証にもならない。
中国共産党のLi Zixiang氏は、藍翔高級技工学校を代弁し、証拠によりウクライナ人が指導する特定のコンピュータ科学クラスと攻撃が結びついたとするNYTの報道に反論した。新華社は、Li氏による「われわれは、これまで外国人教員を雇用したことなどない」との発言を引用した。また別の関係者は、藍翔高級技工学校が軍と密接な関係にあるとするNYTの報道に反論し、学生は卒業後に入隊する場合もあるが、必須ではないと述べた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ