MicrosoftがOpenDocument Formatを攻撃中だ。同社は、Office Open XMLフォーマットの方が極めてパフォーマンスが高いと主張している。
Microsoftのインフォメーションワーカー部門ゼネラルマネージャAlan Yates氏は米国時間5月24日、ZDNet UKに対し、「OpenDocumentドキュメントの利用は許容しがたいほど処理が遅い。一方、Open XMLフォーマットはパフォーマンスに重点を置いて設計されている。XMLは根本的にバイナリフォーマットより遅いため、顧客がパフォーマンスに大きな差を感じないよう心がけた」と語った。
Yates氏は、Microsoft Office 2003を使ってOpenOffice.org 2.0とXMLの両フォーマットを比較したZDNet.comの調査に言及した。しかし、ODF Alliance理事長のMarino Marcich氏によると、これはOpen XML本体ではなく、OpenDocument Format(ODF)のインプリメンテーションの一例だけをテストしているため、公平な比較ではないという。
「市場にはまだOpen XML製品がなく、パフォーマンスを比較できない。ODFは、OpenOfficeだけでなく、StarOffice、IBM Workplace、KOffice、Abiword/Gnumeric、Google Writelyなど複数のアプリケーションでサポートおよびインプリメントされている。これらのアプリケーションは、どれもパフォーマンスの傾向が異なる」(Marcich氏)
同氏はさらに、OpenOffice.orgは当初ODFに最適化されていなかったが、将来的には最適化が行われる、とも付け加えた。
Marcich氏によると、Open XMLは企業各社にとってインプリメントが難しいという。マニュアルがODFの700ページに対し、4000ページ以上にのぼるためだ。
「マニュアルの量が余りに膨大なため、うまくサポートできるアプリケーションは1つぐらいだろう、という懐疑的意見もあるかもしれない。(Open XMLの)マニュアルはざっと見たが、ODFがScalable Vector Graphics(SVG)などの既存の標準を思う存分参照しているのに対し、Microsoftはわざわざ一からやり直そうとしているように思える」(Marcich氏)
しかしYates氏によると、Open XMLのマニュアルの量が多いのは網羅する機能が多いためだという。
「マニュアルは、OpenDocument Formatのものより内容がはるかに濃い。機能やオプションが多いほか、使い勝手も奥が深く、作りが細かい」(Yates氏)
調査会社のGartnerは、ISOが5月に入ってODFを承認したことを受け、これはISOによるOpen XML承認の可能性を狭める動きになる、との予測を示した。
Yates氏はGartnerの分析に対し、「複数のドキュメントフォーマットが承認される余地は大きく残っている」と反論した。
Gartnerの分析は「非常に驚くべき内容で、正確な情報ではない。Gartnerには、もっと多くのデータを集めて状況を深く理解するよう要請した」(Yates氏)
一方、欧州の標準化団体であるECMA Internationalは先週、Open XMLフォーマットの中間ドラフトを公表した。同フォーマットは年内にECMAによって承認される見通しだと、Yates氏は語っている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ