日本オラクルと日本オラクルインフォメーションシステムズは12月5日、企業の抱える課題を解決するための戦略やシステムのあり方を支援するためのイベント「Oracle Management Summit 2006」を開催した。基調講演には、米Oracle アプリケーション事業統括担当 シニアバイスプレジデントのDick Wolven氏が登場し、オラクルがいかにして競争力を保っているか、また、数ある企業買収からどのようなメリットを顧客に提供できるかについて語った。
Wolven氏は、10月下旬に米国の「Oracle OpenWorld 2006」で米Hewlett-PackardのCEO(最高経営責任者)Mark Hurd氏が指摘したITの課題を引用し、「システムを管理するための人件費は増えているのに、IT資産そのものは減少している」と述べた。また、一般的にIT資産の約80%は既存のIT環境を保守するために利用され、イノベーションに使われているのがほんの20%だという現状についても指摘した。
ITの課題について話すDick Wolven氏「こうしたジレンマをオラクルは解決する」とWolven氏は語る。オラクルのビジネスの3本柱の中核となっているデータベースはもちろん、ミドルウェアおよびアプリケーションも組み合わせることで「顧客がシステムの選択を考え出すその瞬間からシステムが走り出すまで、オラクルは一貫して顧客に貢献する準備が整っているからだ」とWolven氏は説明する。
Wolven氏は、オラクルがここ数年間で数多くの企業を買収し、そのペースが1カ月に1社というレベルにまで上っていることについて触れ、「この買収は今後も続ける。ソフトウェア企業のベストオブブリードを集めているのだ」と話す。買収によって顧客が受けるメリットについてWolven氏は、「買収した企業のソフトウェアアップグレードが今後も引き続き受けられることはもちろん、オラクルが提供するさまざまな利益が受けられる」と述べる。また、オラクルにとってのメリットについては、「買収でベストオブブリード製品を入手できるのみならず、各分野に特化した研究開発の資源を活用できる」と述べた。
このような企業買収により「スケールメリットも生まれる」とWolven氏。同氏は、「ソフトウェア業界では、ある程度の規模に達すると、低コストで高い価値を生み出すことができるのだ」と説明する。
Wolven氏は、企業買収がさかんになる前のオラクルについても語った。オラクルでは、数多くの企業買収に乗り出す前に、まずバックオフィスシステムの統合に投資した。人事や法務、会計などを含めたすべてのバックオフィスシステムを統合し、ビジネスの「見える化」を図ったのだ。「これは買収戦略の第一歩だった。現状のビジネスとそのシステムに透明性がなければ、企業買収しても新しい会社をすぐに統合できない」とWolven氏。また、こうした買収の結果、さまざまなソフトウェアビジネスを運営することになったオラクルだが、「これだけ多種多様のビジネスを維持できているのは、再利用なコンポーネントを使っているからだ」とWolven氏は話す。
さらにWolven氏は、IT業界全体において、システムの複雑さと、ソフトウェアの「オーナーシップエクスペリエンス」(所有することによって体験すること=所有体験)の満足度の低さが課題だとしている。「ソフトウェアを所有することで、コストがかさんだり、サポートが不十分だったり、バグが多かったり、互換性に欠けていたりと、ITが企業の競争力を奪いかねない状況になっている」とWolven氏はいう。
オラクルでは、ソフトウェアの所有体験をよりよいものにするために「Application Unlimited」プログラムを提供している。製品の機能拡張予定に制限を設けず、各製品のアップグレードを無期限に行うというものだ。「オラクルは、顧客に選択肢を与えている。継続的に拡張、サポートが続く現行の製品を継続的に利用することもできるし、次世代アプリケーションにアップグレードすることも可能だ。アップグレードの時期や対象製品は、顧客が自由に選択できる」(Wolven氏)
このように、企業買収後の統合も迅速に行い、顧客メリットを強調するWolven氏だが、課題がないわけではない。Wolven氏は、オラクルが特に日本で取り組んでいくこととして、「日本は市場が大きいにもかかわらず、専門的な知識のある人材が十分ではない。採用は重要な課題だ。また、パートナービジネスが主流の日本では、オラクルが直接顧客とやりとりすることはなかった。これからは顧客の課題を直接見つけ出し、顧客ニーズに直接応えられるような体制を作っていきたい」と述べた。
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