「変化への即応を支援」--オラクル、製造業向けアプリケーションの拡充を発表

柴田克己(編集部)

2007-04-17 22:00

 日本オラクルは4月17日、「Oracle E-Business Suite Release 12」のサプライチェーンマネジメントにおける組み立て製造業向けアプリケーションの新ラインアップとして、生産管理実行システム「Oracle Manufacturing Execution System for Discrete Manufacturing」(MES)の提供を開始すると発表した。

 MESは、製造現場の情報収集、製造活動に向けた指示の発信、実施された製造活動の報告を行うアプリケーション。同社の製造業向けアプリケーションのポートフォリオにおいては、実行層を受け持つ製品となる。

日本オラクル、桑原氏 日本オラクル、常務執行役員エンタープライズアプリケーション営業統括本部長の桑原宏昭氏

 日本オラクル、常務執行役員エンタープライズアプリケーション営業統括本部長の桑原宏昭氏は、製造業におけるIT投資の伸び率がバブル期以来の高さを示しており、2008年には約2兆4000億円になるだろうという調査会社の予測を紹介。同社でも、2007会計年度においては、特に自動車や電機、精密機器などを中心とした組み立て製造業での需要が高く、多くの顧客が全体最適を求める「ビッグバン型」での導入、採用検討を行っているとした。今回の新製品は、カバー範囲を実行形システムへと拡大することにより、こうした市場へのアプローチを強化するものとなる。

 また、アプリケーションSC本部、インダストリーソリューションアーキテクト部ディレクターの尾西克治氏は、オラクルの製造業向けソリューションの優位点として、アプリケーションの総合的なフットプリントと、計画テクノロジーの高さを挙げた。特に計画テクノロジーについては、需要予測、在庫配置最適化、サプライネットワークの最適化、需要形成、生産スケジューリング、輸送最適化など、多くの側面を高精度で自動化することにより「変化のスピードが速いメガコンペティション時代において、企業が成長を続けるために必要な変化への即応をサポートする」という。

 また、日本オラクルは同日、「有償支給」をサポートする機能の提供開始も発表している。有償支給とは、発注元が材料支給をした上で製造工程を外注し、その材料コストを外注先に請求する一方、製品あるいは組み立て品納入時に発注元が製造工賃などを上乗せして外注先に支払う業務プロセス。従来、このプロセスの自動処理については追加機能開発を行っていたが、特に日本の顧客からの要求を受け、E-Business Suite Release 12の「Oracle Discrete Manufacturing」に標準機能として搭載されたものという。

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