アドビ、AIRとFlex 3と次期版Flash Playerを披露

文:Martin LaMonica(CNET News.com)
翻訳校正:ラテックス・インターナショナル

2007-09-20 11:56

 ボストン発--Adobe SystemsのチーフソフトウェアアーキテクトであるKevin Lynch氏は、開発者やデザイナーがメディアリッチなウェブサイトを高速に動作可能にするためのツールを披露した。

 Lynch氏は米国時間9月19日、Adobe開催のFlashForwardカンファレンスにおいて、Flash Playerの次期版(開発コード名:Astro)には、ビデオリッチなウェブアプリケーションの制作者のために「大幅なパフォーマンスの改善」がなされる予定だと発表した。同氏はまた、Flash開発者を対象とした同カンファレンスの基調プレゼンテーションで、3次元画像に対する操作性も改善されると語った。

 Lynch氏は講演後、Astroのリリース日については言明を避けたが、10月にシカゴで開催されるMaxカンファレンスでは詳細を明らかにする予定だと述べた。

提供:Martin LaMonica
Adobe SystemsのチーフソフトウェアアーキテクトであるKevin Lynch氏

 「Flash Player 9」(開発コード名:Movierstar)の最新アップデートも今後数週間で発表される予定となっている。このアップデートでは、High Definition(高解像度)レベルの動画を再生 可能な動画圧縮標準規格「H.264」がサポートされる。

 「われわれは動画のワークフロー全体に注力している。今後も投資と技術革新を続けていく」(Lynch氏)

 Adobeがウェブアプリケーションのパフォーマンスの改善を計画している方法の1つとして、Flex開発ツールの次期版に搭載されるキャッシュメカニズムの導入がある。Adobeは現在、このツールのオープンソース化を進めている。

 「Flex 3」(開発コード名:Moxie)は、ユーザーがFlexアプリケーションに最初にアクセスしたときに、Flexアプリケーションを実行するのに必要なファイルをブラウザのキャッシュにダウンロードするフレームワークキャッシュを搭載する予定となっている。このキャッシュされたコンポーネントは、その他のFlexアプリケーションでも再利用できる。これは、ダウンロードが高速化し、開発者がActionScript(FlexにおけるJavaScriptと互換性のある言語)を使用して、より大がかりなウェブアプリケーションを開発できることを意味するとAdobeの幹部は述べる。

 Lynch氏は、Flexで開発されAIR(Adobe Integrated Runtime)で実行可能な複数のアプリケーションを披露した。AIRはWindowsを搭載したPC、Mac、そして最終的にはLinuxやモバイル機器でウェブアプリケーションを実行するためにダウンロードされる実行環境である。

提供:Martin LaMonica
An AIR application, Buzzword, can import Flickr photos based on tags. 「Buzzword」というAIRアプリケーション。タグを基に「Flickr」のフォトをインポートできる。

 今回披露された新しいAIRアプリケーションの一部は、まだ一般に公開されていない。ユーザーがFlashアプリケーションに期待するようなアニメーションを備えた滑らかなドローイングアプリケーションである「Art Musheen」(ウェブサイトもまだ準備されていない)というアプリケーションもまだ利用できない。

 Lynch氏が披露したもう1つのアプリケーションが、まだベータ版の「Digimix」である。このアプリケーションもアニメーション機能を装備し、ユーザーはオーディオの断片をエディタにドラッグ&ドロップすることができる。

 AdobeはMaxカンファレンスでAIRの2番目のベータ版を公開する予定。

 Lynch氏によると、ベータ版には最終版のAPIが搭載され、ローカルのファイルシステムアーキテクトとネットワーク接続へのアクセス機能、ユーザーに通知を送信する機能、ローカルストレージ、自動更新、ドラッグ&ドロップ機能が含まれる予定だという。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. ビジネスアプリケーション

    改めて知っておきたい、生成AI活用が期待される業務と3つのリスク

  2. ビジネスアプリケーション

    ITR調査結果から導くDX浸透・定着化-“9割の国内企業がDX推進中も成果が出ているのはごく一部”

  3. ビジネスアプリケーション

    Google が推奨する生成 AI のスタートアップガイド、 AI を活用して市場投入への時間を短縮

  4. クラウドコンピューティング

    生成 AI リスクにも対応、調査から考察する Web ブラウザを主体としたゼロトラストセキュリティ

  5. セキュリティ

    初心者にも優しく解説!ゼロトラストネットワークアクセスのメリットと効果的な導入法

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]