マイクロソフト、「OOXML」普及目的で「Office」仕様を公開

文:Tom Espiner(ZDNet.co.uk) 翻訳校正:編集部

2008-02-19 13:36

 世界最大のソフトウェア企業Microsoftは、「Office」ファイルフォーマットバイナリを公開した。これは、オフィスドキュメントフォーマット「Office Open XML」の国際標準化機構(ISO)による承認に向けた同社活動の1つとなる。

 Microsoftは米国時間2月15日、これまで要望があった場合にのみ公開してきた「Word」「Excel」「PowerPoint」のファイルフォーマットの仕様を、オープンソースのOfficeバイナリ-Office Open XML(OOXML)トランスレータプロジェクトの詳細とともに公開した。

 MicrosoftでOfficeプログラムマネージャーを務めるBrian Jones氏によれば、今回バイナリを公開したのは、OOXMLをISO規格として承認すべきかどうか投票を実施する国家機関の間にある懸念に応えるためだという。複数の国家機関は、サードパーティーデベロッパーにとり、OfficeバイナリフォーマットをISO批准プロセスで「DIS 29500」と呼ばれるOOXMLに変換するのは困難ではないかという懸念を示していた。

 Jones氏は15日、自身のブログに「サードパーティーがバイナリファイルをDIS 29500により簡単に変換することができるよう、Microsoftは(中略)2008年2月15日までにバイナリフォーマットに関する文書を当社のウェブサイトに掲載し、さらに直接ダウンロードできるようにすることで、より容易にアクセスできるようにすることに同意した」と記した。

 しかし、サードパーティーのOOXML開発者であるStephane Rodriguez氏は、OOXMLの仕様を、不完全なものであるとして批判している。

 Rodriguez氏は、16日にJones氏のブログポストに投稿したコメントで、BIFFと呼ばれるExcelの内部フォーマットテーブルには欠落したレコード、および「未使用」の仕様があり、「Office Drawing」にも詳細が不明なレコードがある、としている。

 Rodriguez氏は、「まず、BIFFにざっと目を通してみた。1)欠落したレコードがある。例えば、すぐに思い出せるだけでも0x00EFや0x01BAなどがある。2)仕様がなされていない。例えば、Forms ComboboxのOBJレコード」と記している。「次に、Office Drawingの仕様に目を通した。そして、一読しただけでも詳細が不明なレコードが存在することが分かった」

 Jones氏は、仕様が不完全であるとの批判を受け、Microsoftがバイナリを「不訴訟誓約書」の正式バージョンである同社の「Open Specification Promise(OPC)」で利用できるようにしたことを明らかにした。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    ChatGPTに関連する詐欺が大幅に増加、パロアルトの調査結果に見るマルウェアの現状

  2. セキュリティ

    迫るISMS新規格への移行期限--ISO/IEC27001改訂の意味と求められる対応策とは

  3. セキュリティ

    警察把握分だけで年間4000件発生、IPA10大脅威の常連「標的型攻撃」を正しく知る用語集

  4. セキュリティ

    いま製造業がランサムウェアに狙われている!その被害の実態と実施すべき対策について知る

  5. セキュリティ

    ランサムウェア攻撃に狙われる医療機関、今すぐ実践すべきセキュリティ対策とは?

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]