Googleのオープンソースプログラムを率いる人物が米国時間2月25日、Microsoftが主導する、Office Open XML(OOXML)の国際標準化機構(ISO)での標準化を目指す動きは、ドキュメントへの自由なアクセスを望むユーザーに危険をもたらすものとなると語り、ISOへの参加国の代表者に対して、OOXMLのISO標準化に反対票を投じるように訴えた。
ISOの代表者は、今週開催のジュネープでの会合に集い、2007年9月に標準化の(最初の)審査に落ちた後に提出された、OOXMLの技術的なコメントの検討が行われる。5日間に及ぶ検討会議での投票結果は、ISO標準化を目指した、Microsoftの2年に及ぶ取り組みの成果を図る上で、非常に重要な意義を持つものとなる。
GoogleのオープンソースプログラムマネージャーであるZaheda Bhorat氏は、OOXMLが「不十分で不必要な標準規格に過ぎず、Microsoft Officeのニーズを満たすことだけを念頭に設計されたものである」として、代表者に対し、反対票を投じるようにブログで呼びかけた。
Bhorat氏は、OOXMLに関して、Microsoftに対抗する、Googleを始めとした企業団体によって支持されている、OpenDocument Format(ODF)という既存の標準規格に包含されるべきものであると述べた。
「世界中のISO参加国が、以前の投票結果の再検討に取り組んでおり、3月30日の最終期限が急速に迫っている。ぜひとも慎重な注意を払い、多数の支持が得られている、ODFにOOXMLを組み込むことを求める声に耳を傾けるよう、私は皆さまにお願いしたい。ドキュメント標準規格に関する決定が、すぐに自分に重大な影響をもたらすことはないかもしれないが、編集可能なドキュメント、スプレッドシート、プレゼンテーションへのアクセスを常に必要とする人にとって、この決定は、非常に近い将来に大きな影響を及ぼす可能性がある」と、Bhorat氏は書いている。
Googleは、より詳細にOOXMLへのスタンスを説明した別の文書で、OOXMLの最も核となる問題とは、すでにODFが存在するため、(OOXMLは)不要になる点にあると明らかにしている。さらに、Googleは、あまりにもOOXMLが、Microsoft Officeに特有の規格であり、クオリティも不十分であると語っている。
「そのような規格案を提出することは、標準化プロセスへの侮辱に値する」との評価をGoogleは下している。
Microsoftの幹部らは、過去2年間にわたって、OOXMLが、Microsoftのみにコントロールされている規格ではなく、ISOにOOXMLを標準化議案として提出した「Ecma International」標準化機構の委員会には、AppleやNovell、その他の大企業も参加していると主張してきた。
1つのドキュメント標準規格を持つよりも、異なった目的の複数のドキュメント標準規格が存在するほうが望ましいというのが、Microsoftの見解である。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ