国際標準化機構(ISO)は、MicrosoftのOffice Open XML(OOXML)標準を巡る議論の終結を求め、「個人攻撃」をやめるようにとの呼びかけを行った。
今回の呼びかけは、ノルウェーで開催されたISO委員会に、OOXMLのISO標準化プロセスからの撤退を要求する多くの抗議者が集まったことを受けて、出されるに至ったものである。
2008年4月初旬に、OOXMLのドキュメントフォーマットは、ISO標準として正式に認定を受けるに足る十分な票を集め、(ISO標準化プロセスにおいて)勝利を収めている。すでにISO標準としては、OpenDocument Format(ODF)が存在しており、OOXMLのドキュメンテーションには、承認される上で問題となる数多くの技術的な問題が含まれているとの論点から、多くのオブザーバーはOOXMLのISO標準化に反対した。
ドキュメント標準を担当するISO委員会の「SC 34」は、先週オスロにて会合を開き、OOXMLとODFの件での今後の方針を討議した。(SC 34の)本会議は、主に近隣で開催されたオープンソースカンファレンスの関係者が実行した、外部の抗議活動に迎えられることとなった。多くの抗議者が、OOXMLのISO標準化の見直しを要求した。これは理論的には、万が一、ISOが投票後1〜2カ月以内に反対を表明すれば起こり得ることではある。
だが、SC 34が今回出した1つの結論は、30名の委員が署名した公開状に記されており、それは以下のような文面となっている。「SC 34に集ったわれわれは、ここ数カ月間に(OOXML)標準化プロジェクトを巡って行われた個人攻撃を遺憾に思っていることを明らかにしたい。標準化の議論は、たとえ全く意見の一致に至らないような状況でも、常にあらゆる関係者が互いに敬意を払いつつ進めるべきものであると、われわれは確信している。SC 34標準化に関係するすべての組織および個人の皆さまに、この見解を支持することを求め、どのような形の個人攻撃であれ、決して開始したり参加したりすることがないようにお願いする」
また、同委員会は、OOXMLに関連して、いくつかの決議を可決した。その中で最も重要なものは、標準化を「維持する」役割を果たす特別なワーキンググループの設立である。これは当面の対策にとどまり、委員会は、ドキュメント標準に関連して、以下の3つのワーキンググループ設立の必要性をも予期している。それは、一にOOXMLを維持する、二にODFを維持する、そして、三にOOXMLとODF間で「相互運用性や調和を図る」ワーキンググループである。
さらに、複数の国家標準化団体、「リエゾン組織」、一般大衆から、OOXMLに関する「編集上または技術的な欠陥」に関する報告を収集する専門グループも、今後3カ月以内に機能を開始する予定である。
SC 34委員会の全委員が、遅くとも5月1日までに、OOXML標準の最終文書をチェックできる体制が整えられねばならないという点でも、今回の会合は意見の一致に至った。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ