SAPは現地時間4月30日、企業向けオンデマンドスイート「SAP Business ByDesign」の販売が従前の予想ほど順調に進んでいないことを明らかにした。
SAPによると、全世界の中堅企業市場で売り上げ10億ドルと顧客1万社を達成する時期は、当初目標の2010年よりさらに12〜18カ月ずれ込む見込みだという。2008年については、6カ国で1000社を下回る顧客しか獲得できないと同社は予測している。
SAPは、同社の未来を象徴するBusiness ByDesignを決して失敗には終わらせたくないと考えている。同社は、クライアントサーバ型の企業資源計画(ERP)ソフトウェアの草分けだが、急成長を続けるオンデマンド分野への参入は遅れていた。同社ではここ4〜5年間は2500人の技術者をBusiness ByDesignの開発に投入しているといい、他のアプリケーションと比べても業界で最も完成度の高いオンデマンドスイートだとうたっている。
SAPの計画では、Business ByDesignについて、カスタマイズはできないが互いに組み合わせが可能な2100種類のサービスインターフェースを搭載する予定だと、SAPの創業者、Hasso Plattner氏は明かしている。
一方、この分野でSAPと競合するNetSuiteは、オンデマンドスイートを10年に渡って手がけ、毎年新しいバージョンをリリースしている。また、salesforce.comは、自社のプラットフォームを拡張してERP機能を組み込んでおり、こうした機能の例としては「Force.com」プラットフォーム上に構築されたCODAの会計用アプリケーション「CODA 2go」などがある。
Plattner氏は、Business ByDesignがsalesforce.comと異なる点として、SAPスイートの完成度の高さを挙げている。SAPにとってのソフトウェアとは、比較的大規模な企業に対して「包括的な機能」を備える完全な統合アプリケーションスイートを提供するものなのだとPlattner氏は語った。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ