ビジネス ソフトウェア アライアンス(BSA)は7月23日、BSAのメンバー企業と東京都にある調査会社(以下、調査会社A)との間において、ビジネスソフトウェアの著作権侵害に関し、総額1億円の和解が成立したと発表した。この和解額は、BSAへの通報を端緒とする国内事案では10番目に高額なもので、従業員規模100名以下の中小企業に限ると過去最高額という。
この事件は、BSAが組織内違法コピー撲滅のため開設している情報提供窓口への通報がきっかけで発覚したもの。権利者であるBSAメンバー企業は2009年3月、調査会社Aに対し、組織内で使用されているビジネスソフトウェアが不正利用である可能性を代理人を通じて指摘した。
その後の調査会社Aの内部調査の過程で、「Adobe Illustrator」や「AutoCAD」、「Microsoft Office」などのソフトウェアの違法コピーが発見されたため、権利者であるアドビ システムズ、オートデスク、マイクロソフトの代理人により、調査会社Aとの間で問題解決に向けた協議を重ねていた。
調査会社Aはメンバー企業との和解で、ソフトウェアの違法コピーをしないことを約束したほか、社員による違法コピーや利用防止に向けた教育、指導等の徹底を約束し、すでにソフトウェアの利用状況改善に着手しているという。