わずか2週間のうちに、法的措置をほのめかす話が出るなど、広く利用されているプログラミング技術の未来に大きな変化が生じている。
Adobe Systemsは、2週間前には「iPhone」で動作する「Adobe Flash」アプリケーションを構築する技術を盛んに宣伝していたが、このたび同技術の開発打ち切りを決めたことが判明した。
Appleは、「iPhone OS 4.0」用ソフトウェア開発キット(SDK)のライセンス規約を変更することで、事実上Adobeの動きを封じ込めた。だがAdobeのFlashプラットフォーム担当主任製品マネージャーを務めるMike Chambers氏は米国時間4月20日、iPhone用Flashアプリケーション技術の開発を打ち切ると発表するとともに、自身のブログに記した長文の中で、両社の戦いがまだ終わっていないことを示唆した。
「iPhone用アプリの開発者なら知っているように、iPhone向けに開発したければ、どこかの時点で、見たところありとあらゆる理由により、Appleに拒否されたり、制限を加えられたりすることを覚悟しなければならない」と、Chambers氏は書いている。「Flashの主な目標は、これまでも常に、ブラウザやプラットフォーム、デバイスの壁を越えた開発を可能にすることだった。ウェブ向けに開発した素晴らしいゲームも、簡単に複数のプラットフォームやデバイス向けに展開できる。だが、これはAppleが求めていることのまさに対極にある。Appleは開発者を自社のプラットフォームに縛り付けたがっており、他のプラットフォームを対象とした開発が困難となるよう、開発者の選択肢を制限している」
Adobeはこの問題を重要視している。同社は規制当局への提出書類の中で、iPhoneと「iPad」がAdobeの技術をサポートしない場合、Adobeの事業は打撃を受ける可能性があるとの見解を明らかにした。また、ある報道によれば、AdobeはAppleに対して法的措置を検討している可能性もあるという。
これに対しAppleは、今後有力視されている多様な標準技術を優先する方針を示唆した。こうした技術は、全体としてFlashの機能と競合する。
「時代おくれの考え方をしている人がいるようだ。オープンで標準技術なのはHTML5、CSS、JavaScript、H.264(いずれもiPhoneとiPadでサポートされている)であり、AdobeのFlashは閉鎖的でプロプライエタリだ」と、Appleの広報担当者であるTrudy Muller氏は声明で述べている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ