XP後のコンピュータ

様変わりするOS世代交代が告げる、IT新時代

大川淳

2013-12-02 07:30

 2014年4月9日。Windows XPへのサポートが終了する。この日までもう5カ月もない。サポートが終ればセキュリティ更新プログラムの提供が打ち切られる。コンピュータを取り巻く環境に対し、“外部”からのさまざまな脅威は高まるばかり。セキュリティ対策を継続的に実行しないOSを搭載したパソコンをインターネットに接続していれば、その果てにどんな危険が待っているのかわからない。

 「危険回避のため、Windows XPは新たな版のWindowsへの移行を」と日本マイクロソフトは呼びかけている。同社はあの手この手の移行支援策を打ち出し、ハードベンダや、システムインテグレータも買い替え促進策、移行支援サービスをそろえ、移行にあたっての支援キャンペーンを展開するなど、移行は着々と進んでいる。

 しかし一方で、なかなか円滑には移行できない事情を抱える事例は少なくない。中小企業や地方自治体などでは、リース契約や経費の問題から、OSを替えるに替えられない状況に陥っている場合もある。IDC Japanは、2013年6月末での法人PCの稼働台数は、3545万台、その内、Windows XP搭載PCは30.5%、1080万台であり、サポート終了後の2014年6月末時点でも、10.3%、371万台になると予測している。

Windows Server 2003の延長サポート終了も、あと2年以内、旧版存続は危険招く

 新しいOSの移行という問題は、刻限が迫っていることもあり、Windows XPだけに注目しがちだが、Windows Server 2003の延長サポートも、2015年7月14日で終了する。こちらもあと1年8カ月ほどだ。ここにきて日本マイクロソフトではできるだけ早く移行の準備に取り掛かるべきとの呼びかけを開始している。サーバOSは「重要なシステムの基盤であるだけに、移行には、クライアントOS以上に時間がかかる」(日本マイクロソフト)からだ。

 IDC Japanの調査によれば2012年に国内で稼働しているx86サーバは約218万台であり、OS別シェアではWindows Serverシリーズが72.4%を占めている。さらにその内訳をみると、Windows Server 2008が33.3%、同R2が35.3%だが、Windows Server 2003を含めたそれ以前のOSは依然28.2%あり台数にして45万台になるという。

 同じくこの調査では、Windows Server 2003ユーザーのうち48%は同2012への移行をするとしているが、同2003を継続使用するとの層は13.4%だったことがわかっている。日本マイクロソフト サーバープラットフォームビジネス本部長の吉川顕太郎氏は「サポートが終了すると、パッチの提供も止まる。となるとパッチ適用以前に脆弱性を突いてくるいわゆるセロデイアタックの危険性が高くなる」と指摘する。

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