UPDATE Googleのエンジニアたちは、インターネットユーザーが長年待ち望んでいた技術を実現した。それは、オフラインでもウェブアプリケーションが使えるようにするというもの。
Googleは米国時間5月30日、インターネットにPCがつながっているかどうかに関係なくウェブアプリケーションを稼働できるブラウザ用プラグイン「Google Gears」を発表した。
同社は、全世界10都市で丸1日をかけて開催されたGoogle Developer Dayカンファレンスにおいて、Google Gearsを発表し、このソースコードを公開した。
Google Gearsが作られた目的は、オフライン環境でもウェブアプリケーションを機能させるための、標準的な手法を確立することにあったと、GoogleのエンジニアリングディレクターLinus Upson氏は述べる。
初期版のコードは、Ajaxスタイルのウェブアプリケーションを記述するJavaScript開発者を対象に公開される。Windows上のInternet Explorer、WindowsおよびMac OS、Linux上のFirefox、Mac OSのSafariに対応する。
Googleでは、ユーザーが簡単に利用できるバージョンを数カ月以内に用意するとしている。こちらの容量1Mバイト以下になるという。またUpson氏によると、標準準拠のウェブブラウザがこの技術を搭載できるように、コードは標準化団体に提出される予定だという。
「ウェブに新しい基礎技術が加わるのは久々である。10年ぶりなのではないだろうか」とUpson氏は言う。Ajaxの主要技術の1つとされる「XMLHttpRequest」が登場したのは1998年のことである。この技術が広く受け入れられるまでには何年もかかり、Google Mapsなどのアプリケーションの登場が普及に貢献した。
Google製ホステッドウェブアプリケーションのユーザーから、ネットワークに未接続な状態で作業ができないという不満の声が上がっていたことから、同社では、オフラインアクセスをウェブブラウザで可能にする作業に取り組んだ、とUpson氏は述べた。
「Gears開発の背景の一部には、Googleでは開発者らがブラウザでできることの限界を超えようとしている点がある。そのため、エンジニアらはより激しく、そして速く障壁に向かっている」と、同氏は述べる。