Linuxベンダーとの技術提携を次々に発表しているMicrosoftは米国時間6月13日遅く、最新の提携として、Linspireと合意を結んだことを明らかにした。Microsoftは過去にLinspireを商標侵害で訴えたことがある。
両社は商標について2004年に和解し、Linspireは「Lindows」名称の使用を中止し、Microsoftは同社に2000万ドルを支払った。Linspireはまた、一部の「Windows Media」コーデックの利用権を獲得し、両社のの商標侵害問題は解決した。
MicrosoftとLinspireが今回結んだ合意により、両社はインスタントメッセージング(IM)、ウェブ検索などの広範な分野で協業する。また、Linspireの有料版Linuxである「Linspire」の購入者は、MicrosoftがLinuxデスクトップソフトウェアの使用に対して起こすあらゆる訴訟から免れられる知的所有権(IP)保護も受けられる予定。Linspireは、無料版Linuxの「Freespire」では、Microsoft技術や特許保護を提供しない計画だ。
「Linsireでこれらの保護を提供する。だが、小売価格を値上げするつもりはない」とLinspireの最高経営責任者(CEO)であるKevin Carmony氏は13日に語っている。
このところLinux関連の合意が相次いでおり、LinspireとMicrosoftの提携は最新のものとなる。これは、2006年11月にMicrosoftとNovellが合意を発表したことが始まりとなっている。MicrosoftとNovellの合意の一部として、Novellは「SUSE Linux」ユーザーに特許保護を提供しており、これが論議を呼んだ。MicrosoftはLinuxベンダーのXandrosとも同様の合意を結んでいる。
Microsoftはまた、LG、サムスン電子、富士ゼロックスなどと結んだクロスライセンス契約にもLinuxの特許保護が含まれている点についても触れている。
Microsoftの知的財産ライセンス担当ゼネラルマネージャーであるDavid Kaefer氏は、「異なるプラットフォーム間を繋ぐ架け橋を作るさまざまなLinuxベンダーとMicrosoftによる、こうした継続的な取り組みが、この提携の証拠となる」と述べる。
両社は、この提携の金銭面の条件は明らかにしていないが、Kaefer氏は、「この提携で両社とも利益を得たい意向だ」と述べる。
提携の一環として、Linspireは、Microsoftの「Live Search」をLinspireの標準検索エンジンに設定し、「Windows Media 10」コーデックの利用を可能にすることでWindows Media技術のライセンスを拡張する予定だという。
Microsoftはまた、複数のフォントとIMを使用するためのVoIP技術をLinspireにライセンスし、Linspireは、「Office 2007」のOpen XMLフォーマットとOpenDocumentフォーマットを変換するツールを開発する取り組みに参加する予定。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ