「Vista」、「XP」を下回るベンチマーク結果--SP1適用での性能向上率は2%未満

文:Suzanne Tindal(Special to CNET News.com) 翻訳校正:編集部

2007-11-28 10:51

UPDATE 「Windows XP beta Service Pack 3」の性能は、ユーザー待望のService Pack 1(SP1)を適用した「Windows Vista」と比べても2倍上回ることが、先ごろ実施されたテストで明らかになった。

 2008年初頭にリリース予定のWindows Vista最初のサービスパックでは、OSの性能向上が図られている。しかし、フロリダ州に本社を置くソフトウェア会社Devil Mountain Softwareで研究者たちが実施したベンチマークテストの結果、性能アップの水準は特筆に値するものではなく、最新のWindowsより前バージョンの方が優れていることが明らかになった。

 ベータ版SP3を適用したWindows XPはテストを35秒で完了したのに対し、Windows VistaはSP1適用前と適用後でいずれも80秒以上を要し、Windows Vistaは動作速度でWindows XPを大きく下回る結果となった。

 SP1適用後のWindows Vistaの性能向上率は、適用前と比較して2%にも満たない。10%の上昇を記録したWindows XP SP3との差は歴然だ。今回のテストは、2GHz Core 2 Duo CPUと1GバイトのRAMを搭載した「Dell XPS M1710」を使用し、「Microsoft Office 2007」で複合文書の作成、ワークブックおよびプレゼンテーション用資料のサポートを含む生産性タスクを実行した。

 テスト結果について、Microsoftの広報は声明の中で、サービスパックに対する関心が高いことは認識しているが、それはまだ「開発段階」にあり、今後も正式なリリースまで改良を重ねていく、との考えを示した。そして「ユーザーの幅広いニーズに応えることのできるサービスパックを提供することを、われわれは常に目指している」と付け加えた。

 仮にSP1の改良がそれほど十分でない場合、Vistaにとって新たな痛手となる。同OSについては、サービスパックのリリースまで多くの企業が控えている。

 IT専門家たちの実施した調査によると、発売後の1年間でWindows Vistaを導入した企業は、わずか13%にとどまっている。

 Microsoftは、Windows Vistaの売れ行きが同社の予想を下回っていることを認めている。MicrosoftバイスプレジデントのMike Sievert氏は、デンバーで開催された同社のパートナーカンファレンスで受けたインタビューの中で「率直に言って、世の中はまだWindows Vistaを受け入れる準備ができていないということだ」と語った。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    Pマーク改訂で何が変わり、何をすればいいのか?まずは改訂の概要と企業に求められる対応を理解しよう

  2. セキュリティ

    従来型のセキュリティでは太刀打ちできない「生成AIによるサイバー攻撃」撃退法のススメ

  3. 運用管理

    メールアラートは廃止すべき時が来た! IT運用担当者がゆとりを取り戻す5つの方法

  4. セキュリティ

    AIサイバー攻撃の増加でフォーティネットが提言、高いセキュリティ意識を実現するトレーニングの重要性

  5. セキュリティ

    最も警戒すべきセキュリティ脅威「ランサムウェア」対策として知っておくべきこと

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]