ニュージーランド警察は2007年11月第5週、「ボットネット」と呼ばれるコンピュータネットワークを構築した容疑で、あるニュージーランド人の身柄を拘束した。米連邦捜査局(FBI)によると、この人物は100万台以上のコンピュータを不正に操作したという。
今回の逮捕は、FBIによる「Operation Bot Roast」(ボット丸焼き作戦)の第2局面(Bot Roast II)の一環だ。FBIはこの作戦を通じ、ロサンゼルス在住のセキュリティコンサルタントJohn Schiefer容疑者(26歳)を4つの重罪で起訴した。
ニュージーランドで逮捕されたのは、ネット上で「AKILL」と名乗っていた人物で、ニュージーランド警察、米国シークレットサービス、FBIの間の情報共有によって身元が明らかになった。現在AKILLはニュージーランド警察で取り調べを受けており、自宅からはコンピュータ数台が押収されている。
FBI長官のRobert Mueller氏は、ボットネットはサイバー犯罪者の「えり抜きの武器」になっていると述べた。
「彼らは、第三者のコンピュータを使って犯罪を実行することで、自分たちの犯罪を隠そうとする。Bot Roast IIでは、ボットネットの使用を通じて行われる犯罪が多様で複雑な性質を持つことが確認された」(Mueller氏)
FBIによると、2007年6月にOperation Bot Roastを公表してから、8名が起訴され、有罪を認めたり、ボットネットでの活動に関連する犯罪で判決を受けたりしているという。各当局はさらに、米国内と国外で計13件の家宅捜索令状も出している。
FBIサイバー犯罪部門のアシスタントディレクターを務めるJames Finch氏は、ユーザーに対し、自分のシステムを守るよう警告している。
「ウイルス対策ソフトを更新する、ファイアウォールをインストールする、破られにくいパスワードを使う、電子メールとウェブセキュリティに妥当な対策を適用するなど、強固なコンピュータセキュリティ習慣を実践することは、玄関のドアや家の窓に鍵をかけるのと同じくらい基本的なことだ」(Finch氏)
「こうした防御を怠れば、犯罪に使われるボットネットや、おそらくはテロ活動に使われるボットネットも、今後増え続けていくだろう」と、Finch氏は付け加えた。
Bot Roast IIでFBIが身元を特定した人物の大半は、30歳以下の米国人男性だという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ