マイクロソフトのLive MailのCAPTCHAの保護がスパムボットに破られる

文:Larry Dignan(ZDNet.com) 翻訳校正:石橋啓一郎

2008-02-12 17:40

 Websenseによれば、MicrosoftのWindows Live MailがCAPTCHAによる保護を巧妙に破るスパム業者のターゲットになっている。

 Websenseによれば、スパム業者は無作為なLive Mailアカウントを作成し、これを使って攻撃を行う能力を持つボットを作成した。言い換えれば、CAPTCHAによる保護が役に立たないということだ。CAPTCHAは、人間には合格できるが、現在のコンピュータープログラムには合格できないと言われているテストを生成することによって、ウェブサイトをボットの攻撃から守るプログラムだ。

自動生成されたアカウントを使ったスパムメール

 Websenseは同社のブログで、このボットで電子メールアカウントを取得する手順は自動化されていると述べている。例えば、上の図のJay Guttierrez氏のアカウントは、ボットが作成したものだ。Websenseは次のように付け加えている。

 Websenseはこのアプローチはスパム業者にとって3つの利点があると考えている。第1に、Microsoftのドメインはブラックリストに載っていない可能性が高い。第2に、登録が無料である。第3に、世界でこのサービスを使っているユーザーは何百万人にものぼり、これを追跡することは難しいかも知れないということだ。

 ボットは次のように動作する。

  1. ボットはLive Mailの登録ページに行き、(ちょうど人間がやるように)フォームのフィールドを無作為のデータで埋める。
  2. CAPTCHAによる検証画像が現れたら、ボットはその画像を解読サービスに送る。
  3. ボットは答えを受け取り、それをフォームに入力する。
  4. これで、スパム業者は悪意のある行為に使える何億兆ものアカウントを入手できる。
  5. 結果として、スパムの集中砲火が起こる。以下はWebsenseが提供している画像で、同社のブログにはもっと多くの画像が掲載されている。

繰り返しこの攻撃を行うボットの画面

 Websenseは、CAPTCHA解読の試みの30%から35%が成功していると見積もっている。Websenseのサイトには、一つずつ手順を説明するスクリーンショットがある。これは、非常に興味深く、そして完全に邪悪なボットだ。Websenseはまた、これらの攻撃がメッセンジャーやオンラインストレージを含む他のLiveサービスにも拡張され得ると考えている。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. 運用管理

    メールアラートは廃止すべき時が来た! IT運用担当者がゆとりを取り戻す5つの方法

  2. セキュリティ

    ISMSとPマークは何が違うのか--第三者認証取得を目指す企業が最初に理解すべきこと

  3. セキュリティ

    経営陣に伝わりづらい「EDR」の必要性、従来型EDRの運用課題を解決するヒントを解説

  4. セキュリティ

    AIサイバー攻撃の増加でフォーティネットが提言、高いセキュリティ意識を実現するトレーニングの重要性

  5. ビジネスアプリケーション

    中小企業のDX奮闘記--都市伝説に騙されずに業務改善を実現したAI活用成功譚

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]