先週末に欧州で開催されたセキュリティカンファレンス「EUSecWest」で提出されたレポートを巡って、Ciscoとセキュリティコミュニティが「Cisco Internetwork Operating System(IOS)」向けのルートキットの現実味について議論している。ここでルートキットの影響を受けるのはルータとVoIP電話などだ。
英ロンドンで開催されたEUSecWestで、Core Security Technologiesの研究者Sebastian Muniz氏は「Da IOS Rootkit」と呼ぶプログラムについてプレゼンテーションした。EUSecWestのウェブサイトに掲示されているインタビューでMuniz氏は、「Da IOS Rootkitの最大の特徴は、ユニバーサルパスワード」と述べている。「さまざまなパスワード認証ルーティンへの問いかけが、ルートキットパスワード1つで承認される」という。
Muniz氏のスピーチを見越してCiscoは先週、3つの重要なパッチをリリースしている。
Muniz氏のプレゼンテーションに対し、Ciscoはベストプラクティス集を公開している。そして、「プレゼンテーション中、Cisco IOSソフトウェアに関する新しい脆弱性は報告されなかった。われわれが把握している限り、エクスプロイトコードは公開されていないし、顧客から悪用の報告も受けていない」と記している。
Ciscoとセキュリティ専門家たちとのこれまでの関係は複雑だ。2008年2月、VigilarのJohn Kindervag氏とJason Ostrom氏は、(病院の待合室、会議室、ホテルの客室などの)公共の場に置かれたCisco IOSベースの電話の危険性を指摘している。Ciscoはこれに関してフォローしていない。また2005年、セキュリティ専門家のMichael Lynn氏がCisco IOSが関連した遠隔からの攻撃に関するプレゼンテーションを行った際、Ciscoは法的措置に出ている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ